91)羽王戦争・密かに巡らされる計画 ページ45
とある日の綾波町
杖をつけば歩けるまでに回復した室屋が気分転換に散歩に出ていた
「えぇ天気やなぁ」
公園のベンチに座り、空を見上げる
いつもの自分なら、こんな体になっても出来るやり方で戸狩達の役に立とうと足掻いていただろう
でも、恩人に生きろと言われたから
何より、“あの子”に二度も救われた命だから
これ以上この戦争に参戦する気になれなかった
こんな体だし、兄貴もカシラもゆっくり休めと事務作業に回してくれていた
「・・・・俺、ほんまにこのままでえぇんやろうか・・・」
戦う気はないけど、命がけで戦う仲間たちを見て、頭の中でグルグルと色んな事が浮かんでくる
すると、誰かが近付いてきた
「?」
目を向ければ、天気が良いのに広げる白い番傘
スッと番傘を上げて見えた顔に目を見開いた
「ご機嫌よう」
ニッコリと微笑む
「“天使ちゃん”・・・!!」
「え?」
「あ゛!な!何でもあらへん!(また兄貴に精神科連れてかれそうになる!!)」
慌てて手を振る室屋に、Aはクスリ、と笑う
「お元気そうで何よりです」
「お姉さんのおかげやわ!紹介してもろうた病院もごっつうえぇとこやったし!」
「それは良かった」
お邪魔します、と言いながら隣に腰かける
室屋の持つ杖を見て
「杖で歩けるようになったんですね、頑張りましたね」
「おん!みんなリハビリ手伝ってくれてな、もう歩けるし、手も結構動けるようになったんやで」
グー、パー、として見せればAはうんうん、と頷く
「それで、今度は何を悩んでいたんですか?」
「あー・・・」
室屋はAを見る
病院で出会った不思議な少女
自分に生きる為の方法を示してくれた
病院が外道の襲撃を受けた時、助けてくれたのだって、きっと、
「・・・・あんな、俺の話、聞いてくれる?」
「はい」
室屋の話をAは黙って聞いていた
最後まで話を聞いたA
「室屋さん」
「ん?」
「みんなを助けたいですか?」
「当たり前や」
「なら、私の“頼み”を聞いて頂けませんか?」
「あんたの?せやけど、俺こんな体やから誰かを助けるとかは、」
「私が頼みたいのは――――――」
――――――――――――――――――――――
天王寺組アジト、室屋は杖をつきながら歩いていた
「ほんま、容赦のない奴等や!おい!しっかりせぇ!」
倒れている組員の側に膝つき、手に持っていたボトルから中の液体をスポイトで取り、口の中に出して無理矢理飲ませる
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かな - 雛さんはメアリー.スーヒロインですね。欠点無さそう。 (12月31日 20時) (レス) id: 6ea7610922 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 三毛猫の正体は文ストキャラの夏目漱石ですか? (11月22日 21時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 続編おめでとうございます。 (11月21日 13時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水琴 | 作成日時:2023年11月20日 23時