90)羽王戦争・天色の鋭い光 ページ44
天王寺組の拠点に奇襲をかける中で野田のスマホが鳴る
それは天王寺組の組員が空龍街で目撃されたという守代を払う店からの報告だった
「(まさか戸狩が空龍街に?こっちとしてはラッキーだが・・・)」
そして、待機している組員から連絡が入る
「〈戸狩が奇襲をしてきて、小峠の兄貴と戦闘中です!!〉」
「っ!!」
戦力の大半をこっちにつぎ込んだ
念の為に一人で何事にも対処が可能な華太を残した
隠し事をやめた舎弟
これまでもこちらの思いもしない発想で幾度なく組に貢献してきた
〔皆さんがにぃ様をどう思われているのかは知りませんけど、私のにぃ様なんですよ?〕
妹の言葉が思い浮かぶ
「和中、華太の実力で、戸狩とやりあえるか」
そう聞かれた和中は天羽組のアジトが戸狩に襲撃された事を察し、これまで手合わせしてきた様子を思い返す
「・・・刀一本ならば、俺と対等です。ですが、あれの実力はそんなものではないでしょう」
まだまだ知り得ない舎弟の実力
「そうか・・・」
「野田の兄貴、向こうには華太だけではなく、工藤の兄貴や南雲達もおります。彼らは我々を信じてここへ送り出しました」
「俺らもあいつらを信じるべき、か・・・そうだな、こっちに集中するか!」
野田は持っていた銃で天王寺組の組員を撃退する
――――――――――――――――――――――――
「お前とはケリをつけんとならんと思っとったけど、今日は急ぎの用があるんや。さっさと終わらせるで」
銃とドスを構える戸狩
「あぁそうか、残念だな。俺はきっちりとてめぇと決着をつけるつもりだ」
刀を鞘に納め、腰につけた状態で柄を掴んで構える華太
「親っさんっ、こちらへ」
逃げ出そうとする香月と天羽に戸狩が銃口を向ける
「逃がさんで!」
「やらせねぇよ」
華太は素早く銃を取り出し、速射
戸狩は撃つ事なく転がって回避
「相変わらず精度高くて速いなぁ!」
「香月の兄貴、今のうちに」
「すまねぇ!華太!!すぐに戻るからな!!」
その隙に走っていく2人を背に華太は鋭い目を戸狩に向けた
「まさか、どこぞの奴みてぇにてめぇがここに乗り込んで来るとはな」
「戦力の大半をうちのアジトの襲撃に割ってるやろ。これなら俺一人でこの天羽組のアジトを潰せる」
「・・・嘗めるなよ、若造が・・・・」
夜の暗さの中で、光る青い瞳
晴天の空を映したような美しい天色の瞳は、Aと同じ
だけど、その目に宿るのは、鋭い磨かれ、相手を射抜く刃のような光
91)羽王戦争・密かに巡らされる計画→←89)羽王戦争・隠し玉と鋼鉄と暗躍する存在
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かな - 雛さんはメアリー.スーヒロインですね。欠点無さそう。 (12月31日 20時) (レス) id: 6ea7610922 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 三毛猫の正体は文ストキャラの夏目漱石ですか? (11月22日 21時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 続編おめでとうございます。 (11月21日 13時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水琴 | 作成日時:2023年11月20日 23時