84)年末年始の兄と妹�� ページ38
1月1日 元旦
本日は休みの為、トレードマークの白いスーツではなく、普段着で部屋を出る
下の店に行けば、テーブル席にお節が置いてあった
「雛」
「あ、にぃ様」
ひょこっと顔を出したAが手を拭きながら出てくる
「にぃ様！明けましておめでとうございます！これからもよろしくお願いします！」
「あぁ、明けましておめでとうございます、今年もよろしくな」
ペコリ、とお互いに頭を下げて挨拶
「にぃ様、お雑煮のお餅何個ー？」
「２個、餅ついたのか？」
「んーんー、作っておいた切り餅。後で“みんな”来るからお餅つきしよーね！」
「その“みんな”ってどのみんなだ？俺は聞いてねーぞ？」
「お汁粉作ったしー、乗せる用のあんこ作ったしー、みたらしにー、きなこにー」
「・・・・お前が楽しいなら何でもいいよ・・・もう・・・」
色々諦める華太だった
席に座れば、お雑煮のお椀
お節の重箱を広げれば、色とりどりのお正月メニュー
「「いただきます」」
手を合わせ、まずお雑煮を一口すする
優しい出汁の味がする
お節をつまめば、食べ慣れた味に笑みが浮かぶ
「相変わらず美味いな、お節作りも大変だろう」
「そう？でも私は作るの楽しいし、にぃ様とこうしてお節を食べるのがお正月だもの！朝にこうして過ごせるのも嬉しい！」
数年前までは組を優先して、いつも夜か、次の日か、三ヶ日に一緒にいられない時だってあった。
Aの事が親っさん、兄貴達に知られ、この店に通うようになり、そして、命を救われる組員
気を使われ、こうして妹と過ごす時間が増えた
「そうだな、俺もお前と過ごせる時間が出来て嬉しいよ。親っさん達に感謝だな。明日挨拶に行けるか？」
「うん！また甘酒持っていこうかな？」
「あぁ、喜ぶと思う」
久しぶりのゆったりとした朝を過ごした
―――――――――――――――――――――――
「はい！ジロくんこねこねー」
「あいよ」
臼に入れたもち米、杵でこねる紅林
「はい、ついてー」
「おぅ！そりゃ！」
「はい」
Aと紅林、息の合ったコンビネーションで餅をついていく
「勢い余って雛の手を潰すなよ、紅林」
冷やかしながらも、内心ハラハラする久我
それを眺める華太は煙草を吸う
その側のテーブルにはお汁粉の鍋と乗せて食べるあんこやきなこなどが入った保存容器と器
「華太」
静かにやって来たのは拷問ソムリエの伊集院と助手の流川だった
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かな - 雛さんはメアリー.スーヒロインですね。欠点無さそう。 (12月31日 20時) (
レス) id: 6ea7610922 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 三毛猫の正体は文ストキャラの夏目漱石ですか？ (11月22日 21時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 続編おめでとうございます。 (11月21日 13時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水琴 | 作成日時：2023年11月20日 23時
