75)天王寺組若頭と軍師な姉 ページ29
―――――30年前
天王寺組に２人の来客が来ていた
「徳史、悪いんやけどこのお嬢ちゃん見ててくれるか？」
祖父が連れてきたのは10才ぐらいの少女だった
「組長の客の娘さんなんやけど、子供に聞かせれん話をするんや、大人しい子やから一緒に茶でも飲んどれ」
「わかったで、じぃちゃん。お嬢ちゃん、行こうか」
「おん」
大嶽は少女と手を繋ぎ、台所でお茶を持って空いている部屋へ
「ほら、特別に栗どら焼きやるわ、喉詰まらせんよぉになぁ」
「おおきに」
小さな少女が持つと随分と大きく見えるどら焼き
「♪」
「美味いか？」
「ん！」
笑顔の少女に笑みがこぼれる
プラチナブロンドの長い髪、細目で、色白な肌
姿勢よく正座してどら焼きを食べていた
「(偉いキレイな娘さんやなぁ・・・)」
一度見たら忘れられない程だった
「なぁ、おにーさん」
「ん？」
「うち、雪子っていうんや」
「あぁ、自己紹介せんかったな、俺は大嶽徳史や。よろしゅうに、雪子のお嬢ちゃん」
「よろしゅうに、このどら焼き美味しいなぁ」
「せやろ、喜久福っつぅ店のどら焼きやで。俺やじぃちゃんが好きなんや」
「喜久福、後で櫻ちゃんにも買って帰ろかな」
「櫻ちゃん？」
「うちの双子の妹なんや」
「ほぉ、双子か」
こないなキレイな娘さんがもう一人おるんな
おとーさん大変やなぁ・・・・
暫くして祖父と見知らない男がやって来た
「“お父様”」
雪子が駆け寄れば、そっとその頭を撫でる
「おおきにな、徳史」
「おん、話終わったん？」
「終わったで。それでは夏目殿。わざわざおおきに」
若き三國が男に頭を下げる
「うむ」
すると、雪子が大嶽に近付く
「大嶽のおにーさん、どら焼きありがとなぁ、お礼にえぇ事教えたげる」
「ん？なんや？」
雪子が服を引っ張るから、屈んで目を合わせる
雪子は内緒話をするように大嶽の耳元に手を添え、小さな声で話す
「・・・・・・・・え・・・・・」
その話に、大嶽は思わず雪子を見た
雪子はニコッと笑い、父親の元へ戻った
「なんや、大嶽、小さなお姫様から告白か？」
「・・・・そんな、可愛らしいもんとちゃいましたわ・・・」
バイバイ、と手を振る雪子を見送る
〔近いうちに欲に塗れた鼠が来るから、強い人数人置いておいた方がえぇよ〕
小さな子供の言葉
普段なら気にしないのに、雪子の言葉だけはなぜだか自分の中に残っていた
だから常に事務所には武闘派を三人以上は置くように作戦を考えた
76)天王寺組若頭と軍師な姉�□�←74)ヤミ金とたい焼き屋と時々ヨコハマの姉達��
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かな - 雛さんはメアリー.スーヒロインですね。欠点無さそう。 (12月31日 20時) (
レス) id: 6ea7610922 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 三毛猫の正体は文ストキャラの夏目漱石ですか？ (11月22日 21時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 続編おめでとうございます。 (11月21日 13時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水琴 | 作成日時：2023年11月20日 23時
