69)ヤミ金とたい焼き屋と時々ヨコハマの姉達 ページ23
「いらっしゃいませー」
いつもは空龍街の店でその笑顔を見せるA
今日はその姿が雲雀町の【天野屋】というたい焼き屋にあった
「ありがとうね、Aちゃん」
焼き台には包帯を巻いた店主がたい焼きを焼いていた
「構いませんよ、私も天野さんのたい焼き好きだもの」
「おや？天野屋さん、バイトの子を雇ったのかい？」
「はぁい、アルバイトです〜」
常連客に笑顔で答えるA
「あはは、違いますよ、私がこんなもんで、お手伝いに来てくれたですよ」
怪我している腕を見せる天野
「あらあら、優しいお嬢さんなのねぇ。たい焼き10個頂けるかしら？」
「はいなぁ、少々お待ちください」
慣れた手つきで焼き上がっていたたい焼きを箱に詰めていく
「お待たせしましたぁ」
「うぉっ」
聞き覚えのある声に見れば、見覚えのある男が立っていて、顔が引きつっていた
「・・・・・・あら、いらっしゃいませー」
一瞬、無表情になり、すぐに営業スマイルを浮かべる
「な、なんであんたがここに？」
「社長、お知り合いですかぁ？」
大貫がきょとん、と見てくる
「私がお手伝いに来ているのがご不満ですか？三門 一郎太さん？」
「ふ、不満じゃない！誤解しないでくれ！」
「すみませーん！たい焼きくださーい」
「はいなぁ、お１つですね」
パッと笑顔でお客様の対応をするA
「お嬢ちゃん、俺もいちおお客さんなんだけど・・・・・・・・！」
ふっと感じた気配に目を向ければ、そこにはボウガンを構える男
その射線にいるのは、天野
「店長すまねぇ、緊急回避だ、お嬢ちゃん！」
「！」
「うわっ！？」
天野を突き飛ばした三門
Aに声を掛ければすぐにそれを見付け、動き出そうとした時だった
「あっ」
「え！？」
見れば、目の前にいた客の男がたい焼きを落とし、受け止めようと前へ飛んできた
「まだ食ってないのに、これは絶対に落とさん！」
「嘘だろっ」
すると、男の側頭部目掛けて飛んでくるボウガンの矢が突き刺さる直前にピタッと止まった
「あー！落としてしまった・・・・・」
落ちてしまったたい焼きを前に項垂れる男
「あらあら、大変。新しいものをよかったらどうぞ」
Aはポイッと掴んだ矢を捨て、新しいたい焼きを男に差し出す
「え！？良いんですか！？」
何事もなかったように対応するAに唖然とする三門
「(おいおい、マジかよ、あのタイミングで矢を叩き落とすんじゃなくて、掴みやがった)」
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かな - 雛さんはメアリー.スーヒロインですね。欠点無さそう。 (12月31日 20時) (
レス) id: 6ea7610922 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 三毛猫の正体は文ストキャラの夏目漱石ですか？ (11月22日 21時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 続編おめでとうございます。 (11月21日 13時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水琴 | 作成日時：2023年11月20日 23時
