63)地獄耳な剣士と栗どら焼き ページ17
「馬渕、お前暇やろ」
「なんで決めつけるんですか」
やって来た戸狩を見る馬渕
「お前ちっとお使い行ってこい。本当は俺が行きたいんやけど、用事があんねん」
「なんで俺が行かんとならんのですか、下っ端に「あの美味い豚まんを作ってくれた店や」どこにあるんですか、喜んで行ってきますわ」
コロッと態度が変わる馬渕に、じとぉ・・・とした目を向ける
「空龍街の外れや。そこは俺らがうろついても問題ないから心配しなくてえぇ。地図はこれな。店の名前は【月菊】」
馬渕は地図が書かれたメモ紙を受け取る
「馬渕、そこの人に迷惑かけたらあかんで。雅楽川組のお姫様やからな」
「マジですか」
「あぁ、本気と書いてマジや。俺の贔屓にしてる娘さんでもあるから変な事したらしばくで」
お店に行って何か食べたいとは思うけど、正直行きたくなくなってきた
――――――――――――――――――――――――――
「(なんか、聞き覚えのある店やって思ったら)」
馬渕は店の前に立ち、地図と持っていた名刺を見る
「夏祭りの時の天羽組のお姫様の店やないか」
戸狩の兄貴、いつの間に・・・・
暖簾が掛かった戸を開ける
「いらっしゃいませー」
聞き覚えのある声
見れば、雑木林で出会った少女がそこにいた
「あら、こんにちは。来てくれたんですね」
にっこり、と微笑むAにつられて笑みを浮かべる
「おぅ、って言ってもお使いなんやけど」
「お使い？・・・・あ、もしかして、戸狩さんのですか？」
ポンッと両手を叩くA
「そっ、戸狩の兄貴の。知り合いやったんやな」
「えぇ、よくご飯を食べたり、ご要望を聞いて大阪のお料理をお作りしてますよ」
「え、ずるっ、俺豚まんしか食わしてもろうてない」
「あら？時々お持ち帰りしてましたのに？」
「多分、俺がおらん時にみんなが食い尽くしているんや・・・帰ったら問いただしてやろ」
あらあら、と小さく笑う
「お時間があるなら召し上がります？今日は戸狩さんが来ると聞いたのでかすうどんを作ってみたんです」
「かすうどん！！食う食う！」
馬渕は目を輝かせてAが指すカウンターに座る
「はいなぁ、今作ってきますからこれ食べて待ってて下さいね、タコとキュウリの酢味噌和えです」
「へぇ、美味そうやな」
おしぼりとお冷やと一緒に小鉢に入った一口大に切ったらタコにスライスしたキュウリを酢味噌で和えたもの
馬渕は箸で食べる
「！これ美味いな！」
「よかったです」
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かな - 雛さんはメアリー.スーヒロインですね。欠点無さそう。 (12月31日 20時) (
レス) id: 6ea7610922 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 三毛猫の正体は文ストキャラの夏目漱石ですか？ (11月22日 21時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 続編おめでとうございます。 (11月21日 13時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水琴 | 作成日時：2023年11月20日 23時
