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40)不思議な少女と呪力のない男 ページ41

「俺に、か・・・?」

「?お腹、空いた・・・言った・・・」

はい、とフォークを渡される

男は甘い香りに訴える空腹にフォークを受け取り、ホットケーキに刺す
大きな口で食べるとふわふわ感触

「・・・・うめぇ・・・ホットケーキって、こんなに美味かったか?」

「?ホットケーキは、誰作っても、同じ」

「そうか?」

パクパク食べる男
子供はすり寄ってきた虎の頭を撫でる

「それ、ペットか?」

「・・・違う・・・友達・・・白、戻って」

光の帯を纏い、子供の中に消えた

「式神・・・?お前、呪術師か?」

「?・・・これは、異能力・・・じゅじゅつし、知らない・・・嫌な感じ、は、ある」

確かに、呪力はない

「(呪霊はこいつから逃げたんだ)」

呪い避けの何かを纏っている事は分かった

「(こいつ・・・面白い・・・)」

男はニヤリと笑う

「俺は伏黒だ。伏黒甚爾。お前は?」

「・・・・虎杖・・・A・・・」

「そうか、ホットケーキ美味かったわ。ごちそーさん。礼に、何かあるか?」

わしゃわしゃと頭を撫でる

「・・・じゅじゅつし、の事・・・教えて」

「その代わり会う時に手土産な」

「・・・・食べ物・・・?」

「なんでもいい」

「わかった・・・」

約束、と指切りする

以来、仕事の合間を見て、近所の公園で会うようになった
Aはその不思議な能力のおかげなのか、甚爾がいる時に必ず手作りの手土産を持参で来ていた

それはおにぎりだったり、サンドイッチだったら、お弁当だったり、お菓子だったり、様々なものだが、どれも感心する程見た目も味も完璧だった

「お前、うちのガキぐらいなのに、よく毎回こうやって作ってくるなぁ」

本日はドライフルーツとナッツたっぷりのパウンドケーキ一本
甚爾は一切れ口に入れて、「やっぱうめぇ」と呟く

「・・・・楽しい・・・から・・・」

「そりゃぁよかったな。さて、今日は何を教えてやろうか」

呪術師の家系で、呪力を持たずに生まれ、そして並外れた身体能力を得た甚爾は疎まれながら恐れられた
そんな己に教えを乞う不思議な少女
ボーッとしている見た目に合わず聡明だった
自分も気づけなかった事実を指摘する事もあり、考え直す事もあった

「(それが依頼でも役に立つからなぁ・・・)」

甚爾は無意識にAの頭を撫でていた

「???」

「実はよ、俺暫く来れないんだわ。儲かる仕事が入ってきたんだ」

「・・・そう・・・じゃあ、お休み・・・」

41)迷いと後悔→←39)初めましてはホットケーキ



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優奈(プロフ) - コメントありがとうございます。いつも見てます!これからも頑張ってください! (2023年4月15日 18時) (レス) id: 78ffdc92e1 (このIDを非表示/違反報告)
イザナ「情緒不安定」(プロフ) - 夢主がとても可愛い件について (2023年4月2日 22時) (レス) @page43 id: 398e436feb (このIDを非表示/違反報告)
梓月(プロフ) - とても面白いです。続きが楽しみで毎日ワクワクしています。急で申し訳ないのですが学長との会議の前に漏瑚と戦うシーンがあったと思うのですがその後の学長と雅ちゃんの会話はあるのでしょうか。できればみたいです。 (2023年3月30日 8時) (レス) @page14 id: 8f74670e2f (このIDを非表示/違反報告)
人形師(プロフ) - 凄く面白いです!続きが気になります! (2023年3月10日 1時) (レス) @page20 id: 5da4b4263e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水琴 | 作成日時:2023年2月26日 18時

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