【文スト×呪術廻戦】呪王の受肉の兄と宝石色の虎の妹

19)“解体” ページ20

戻ってきたA

「Aさん！大変です！！」

「きょーちゃん・・・どうし、た、の・・・？」

「悠仁さんが倒れたんです！！恐らく吉野 順平の呪霊の毒のせいかとっ」

「・・・・・・・・・・・」

Aは七海と吉野に運ばれていた悠仁に近づく

「悠仁っ、ごめん、ごめんなさいっ！！」

「解毒は済んでいます、傷の方はどうですか？」

「・・・・・・・・・・」

傷を見て

「・・・・まだ」

「そうですか、では応急処置をして、高専・・・へ・・・」

〈グェッ〉

いつの間にかAの体に巻き付く呪霊
口から何かを吐き出す

「ここで、治す・・・」

「え・・・治すなら、なんで鉈なんて・・・？」

「う・・・？」

目を開けた悠仁

「・・・みや・・・？」

キランッと光る刃物に一気に覚醒する

「みやっ！！？」

「動かないで、悠ちゃん・・・・・綺麗に、治すから」

「まっ、待ってタンマタンマアアアァァァ！！！ぎゃあああぁぁぁ！！！！」

悠仁の悲鳴が町に響き渡った

――――――――――――――――――――――

ツルンッと艶々な肌の悠仁がグッタリと車の後部座席に座っている

「ゆ、悠仁・・・大丈夫・・・？」

顔色が悪い順平が顔を覗きこむ

「“解体”とは、どういう意味なのかと思ってましたが・・・」

こちらも顔色が悪い七海

「“解体”が怖いのもあるけど・・・・」

上を向いていた顔を前に戻す

「一番怖いのは“解体”している時のみやの顔」

いつも無を刻む、あの人形のように整った美しい顔立ち
“解体”する時だけに見せる表情

それを見ていた順平も七海もさらに青ざめた


別の車に乗るA

「せめて、助けた事だけでも教えてくださいね？報告しないと行けないので。それに一人での行動も危ないですからね？せめて一言言ってから行ってください」

泉をミラー越しに見るA

「・・・・・・・きょーちゃん」

「はい？」

「・・・ごめん、ね・・・」

しゅん・・・とするAに微笑み

「・・・いえ、お怪我もなく、誰も死なずに済んで良かったです。全部Aさんのおかげですよ。ありがとうございました」

「・・・うん・・・」

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