128)日本刀の兄貴と仕入れ ページ28
ある日の晴天
和中はふっと聞こえた聞こえる筈のない声に歩みを止め、方向を換えた
「ここは天羽組で、君のような子が来る所じゃないんだ」
今日の見張りは新入りらしく、紹介されたのが記憶に新しい
その前にいるのは、今時珍しい番傘を差した少女
それはほぼ顔パスでこの天羽組の出入りを許されている“妹分”
「(新入りにはまず写真で紹介しないとならないようだな)A」
「あ、和中の兄貴」
助かった、という表情をする新入りと、
「和中の兄様！」
パアァッと弾けるような笑顔を見せるA
おいで、と両腕を広げると迷いなく飛び込んでくる
可愛い妹分を腕に抱える
「おはようございます！」
「おはよう、どうしたんだい？」
「にぃ様を見に来ました」
「華太を？」
「あ、兄貴？」
唖然とする新入り
「この天羽組の恩人の事ぐらいは兄貴分に教えてもらえ」
軽く睨めば、Aが「まぁまぁ」と宥める
和中はAを抱えたまま、彼女の兄がいるであろう部屋に向かった
通りかかる顔見知りの組員達と挨拶しながら歩いていると
「また来たのか、クレイジーガール」
「野田の兄様に言われたくなーい」
すとん、と和中の腕から下りたA
「にぃ様いますか？」
「華太ぉ？今日は仕入れの日だって・・・あぁ
そういやぁ舎弟が馬鹿やって呼び出されたんだったか？」
ひょこっと部屋を覗き込むA
「野田」
「あん？」
「新入りにちゃんとAの事を教えておけ。危うく門前払いする所だったぞ」
「何やっとんじゃいとんちきぃ・・・・」
大股で歩いていく野田
おそらく見張りのもとへ向かったのだろう
和中は隙間を覗いているAに近付く
扉を開けて見れば、そこには後始末に追われる華太と、半泣きで謝る舎弟
「声をかけようか」
「んーん、忙しそうだからいいですよ。どうしようかな・・・ジローくんか、トラくんに声かけてみようかな」
「・・・・・・・・・・・」
ふむ、と考える和中
自分の今やる仕事は終わった。後は急な呼び出しがない限りは自由時間、刀の手入れをしようかと思っていた所
要は暇である
「A、俺では役不足か？」
「和中の兄様？」
「俺で良ければ付き合うぞ」
「本当？嬉しい！」
和中はAの頭を撫で、中に入り、華太に声をかけた
案の定、忘れていた華太は真っ青になって見つけたAに謝っていた
和中が付き合う、と告げると申し訳なさそうに「宜しくお願いします」と頭を下げた
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魔王(プロフ) - 最高ですか！？バグ大の少なくてでもめっちゃ好き！！アイスピックの兄貴最高！！！ (2022年10月14日 23時) (
レス) @page23 id: 243dedab57 (このIDを非表示/違反報告)
リオ - はぁｯｯ⤴︎（好きですぅ） 初コメがこんなんでいいのか､､､すみません (2022年10月4日 23時) (レス) @page9 id: e9f5fada24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水琴 | 作成日時：2022年9月28日 23時
