96)真実と生きていた舎弟 ページ36
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・大丈夫？北岡さん」
歩き進む度に震え、門が見えてくると血の気が引いて、真っ青を通り越していく北岡を、差している番傘を上げて覗き込むA
「ね、姉さん・・・俺、今日命日になります・・・」
「ならないよ、ちゃんと私が説明するから」
「絶対兄貴達にボコボコにされますっ！！」
「あー、それはされるかもしれないけど、殺されはしないでしょ。ほーら、私だって怒られに行くんだから、早く行こー」
「姉さんは怒られるだけで済むと思いますけど、俺は絶対それだけじゃ終わりませんってばああぁぁっ！」
「じゃあかましぃわああぁぁ！！」
目的の場所から飛び出してきた影に北岡は蹴り飛ばされた
「あ、野田の兄様」
「いつまで門の前で騒いでんじゃい！観念して入らんか！！てめぇが生きてる事は周知済みじゃ！」
「ひいぃっ！！」
「お前もとっとと入らんかい、今日は陽が強いだろう」
「はーい、ってわっ」
逃げ腰の北岡の首根っこを掴んで引きずり、Aを片腕で抱える
「私は逃げないよ？」
「黙って危ない事するような妹の言う事は聞こえませーん」
「ありゃ・・・」
そのまま天羽組の門を潜るのだった
そのまま組長室に入れば、組長と若頭の阿久津、そして華太が待っていた
華太はすぐにAに近付く
「A」
野田の腕から降りたAは真っ直ぐ兄を見上げる
いつも妹に向けてきた困ったような、それで愛おしい眼差しではなく、怒った無表情
口を開こうとしたAの前に、北岡が飛び込むように割り込んだ
「小峠の兄貴！！！申し訳ございませんでした！！！」
「北岡さん？」
それにAだけではなく、全員が目を見開く
「俺の勉強不足でブラジル人の奴等に舐められた真似をされて！！俺なんかのせいで抗争が起きちまって！！小峠の兄貴の大切なA姉さんまで巻き込んじまって！！！全部俺が悪いんです！！俺が責任を取って、指詰めでも、切腹でもなんでもケジメを取ります！！ですから、姉さんは許してやって下さい！！！」
「・・・・・・・・」
「・・・・・北岡ぁ」
スッと伸びてくる手に、グッと目を瞑る
「・・・・何馬鹿な事を抜かしてんだ、てめぇは」
その手はポンッと頭に乗り、呆れたような声がした
「・・・・・・え？」
「お前はどこまで知ってるのか知らねぇが、誰もお前にケジメを取らせようなんざ考えてねぇよ」
馬鹿だな、と呆れた優しい兄貴分がいた
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夢女子うさこ - ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ尊い！！！！！ (2022年10月17日 21時) (
レス) @page30 id: 2580a6b5e0 (このIDを非表示/違反報告)
himari20051117(プロフ) - いつもありがとうございます！またの機会でいいので、守若の兄貴との絡みを見たいです！ (2022年9月21日 12時) (レス) @page22 id: b1a731d4f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水琴 | 作成日時：2022年9月12日 12時
