90)京極組と羅威刃 ページ30
その日、【月菊】は昼からやっていた
顔馴染みの常連さんと楽しく話をし、些細な噂や情報を仕入れる
昼のピークが過ぎ、後片付けをしている時、店の扉が開く
「いらっしゃいませー」
「まだ開いてるか？」
「えぇ、勿論。お好きな席へどうぞー」
変わらない笑顔で対応するA
黒髪に、眼鏡をかけて、紫のシャツに黒いスーツ。異様なオーラを纏う男と、バーテンダーのような格好をした男の2人
2人はカウンターの席に座る
「おしぼりとお冷やをどーぞ」
「どーも」
「この店、メニューがないんですね」
「お客さん達、初めてですね？この店はメニューは日替わりでして、材料があれば作りますが、基本は決まっております」
「なるほどなぁ、じゃあ任せるよ」
「はいなぁ、お待ちの間にこれをどーぞ、ポテトサラダです」
ガラスの器に丸く盛られたサラダ
「いただこう」
食べ始める2人を見て、Aは調理に入る
「(いつかは、と思っていたけど、まさか普通にお客さんとして来るなんて、なんだか拍子抜けだなぁ・・・)」
よっ、と掛け声と共に四角いフライパン、玉子焼き器を振るうA
最近界隈を騒がせる半グレ組織、【羅威刃】
そのトップになった男、城ヶ崎と、その補佐の間宮だった
焼きたての大きめのだし巻き玉子をお皿に盛り付け、お釜で炊いたご飯、肉じゃが、キュウリと茄子の漬け物、味噌汁の定食の完成
「お待たせしましたー、だし巻き玉子定食です」
2人の前に置く
空になっていたポテトサラダの器は回収する
「ほぉ・・・」
「おぉ・・・玉子からだし汁が溢れる・・・！」
箸で切っただけで溢れ出てくる出汁
間宮は熱々のそれを口に運ぶ
「あつっ！けどうまっ！！」
「！！」
「城ヶ崎さん？」
だし巻き玉子を口に運び、一瞬固まる城ヶ崎
その様子に顔を覗き込む間宮
けど、城ヶ崎は黙々と食べ始める
「・・・・・・・・・・・・」
気が付けば、完食していた
「えっと・・・・熱くなかったですか？」
お冷やをどうぞ？
「食べ終えてからそれか？」
お冷やを受け取る
「あまりの勢いに圧倒されて？」
「疑問系・・・」
「まぁいい、どうせ俺達の正体には気付いてるだろう」
立ち上がった城ヶ崎はカウンターの越しにAを見つめる
「天羽組の中堅極道の妹がやっている店を潰すか取り込めば良い顔が拝めると思ったんだけどなぁ」
「・・・・・・・・・・・・・」
見つめ合う2人
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夢女子うさこ - ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ尊い！！！！！ (2022年10月17日 21時) (
レス) @page30 id: 2580a6b5e0 (このIDを非表示/違反報告)
himari20051117(プロフ) - いつもありがとうございます！またの機会でいいので、守若の兄貴との絡みを見たいです！ (2022年9月21日 12時) (レス) @page22 id: b1a731d4f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水琴 | 作成日時：2022年9月12日 12時
