72)とある兄貴と妹の秘密�� ページ12
「あ、そうだ。兄様、甘いものはお好きですか？」
「んー？」
冷蔵庫から何かを取り出し、切って、皿に盛り付ける
「今お客様に頼まれてホールケーキの試作をしているんです、お嫌いでなければどうぞ」
出されたのは真っ白な生クリームがふんわりと添えられたガトーショコラだった
「やりぃ♪」
小林は早速食べ始める
ケーキ自体はほろ苦く、ほとんど甘味はないが、しっとりとしていて舌触りがいい
それに甘いふわふわの生クリームをつけると苦味と甘味がマッチする
「うっまぁ・・・！これ本当に試作？めっちゃ美味いんだけど。珈琲に合うなぁ」
「ふふっ、よかった」
穏やかな時間が過ぎていく
昔から命のやり取りをして生きてきた小林にとって、ここで過ごす時間は居心地が良かった
「(なんか、ねみぃ・・・)」
「あら？小林の兄様？」
「んー？」
夜の準備をしていたAはカウンターから出てくる
「ごめん〜、眠い〜」
「あらまぁ・・・こんな所で寝たら体に悪いですよ？」
Aは思い付いたようにポンッと手を叩く
「兄様、お2階、お2階行きましょ？いいお部屋があるんです」
「いい部屋？」
Aに手を握られ、階段を上がる
「最近2階の部屋を使う事が多くなってきたので大掃除したんです。私の部屋と、お店で使うお座敷、後にぃ様のお仕事部屋」
「え、華太、ここでも仕事してんの？」
「お仕事で飲食を忘れるならここでして頂いた方が歯止めがききますから♪」
にっこりと笑うA
「(兄貴想いな妹だなー)」
「で、ここが私の秘密の部屋」
「おぉ、ハンモックだー」
壁に固定されたハンモックと、揺り篭のような吊るされた椅子、小さなテーブルに、色んなジャンルがある本棚
「ここお昼寝するには丁度良いんですよ」
「いいの？秘密の部屋なんじゃないの？」
「はい、だから小林の兄様と私の秘密です」
お茶目に笑う妹に気分が良くなる小林
「そっか、秘密か♪」
「はい♪」
小林は早速ハンモックで横になってみる
肌触りの良い布に包まれ、爽やかな風が頬を撫でる
「(確かに、これはいい昼寝スポットだ)」
気持ち良さげに目を閉じる小林にくすり、と笑い、Aは静かに出ていった
華太からAに「小林の兄貴はそっちに来てないか！？」と言う連絡が来るまで静かな時間を過ごすのだった
その後、小林はちょくちょく【月菊】に来ては、秘密の部屋で過ごす事が多くなった
時々来る無法者の相手も彼の仕事になっていた
73)天羽組と京極組と双子の姉達→←71)とある兄貴と妹の秘密
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夢女子うさこ - ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ尊い！！！！！ (2022年10月17日 21時) (
レス) @page30 id: 2580a6b5e0 (このIDを非表示/違反報告)
himari20051117(プロフ) - いつもありがとうございます！またの機会でいいので、守若の兄貴との絡みを見たいです！ (2022年9月21日 12時) (レス) @page22 id: b1a731d4f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水琴 | 作成日時：2022年9月12日 12時
