60)極道の兄とバイティングの兄貴と仕事を失った夜の蝶�� ページ31
女性、レミを連れて帰ってきたA
「座っててください、今温かいもの淹れますから」
「えぇ・・・ありがとう・・・」
Aは棚にある無数の茶葉の缶の中から１つを選び、ポットとカップを用意する
「はい、ラベンダーのハーブティーです」
ふわっと香りが広がる
「・・・良い香り・・・」
「ラベンダーには憂鬱な気持ちや不安を和らげる効果があります。心が落ち着きますよ」
レミは一口飲む
程よい暖かさが体に染み渡る
「・・・なんだか、ホッとするわ・・・」
「良かったです」
「・・・・・・・・私・・・・」
レミはカップを両手で握り、口を開く
「・・・私・・・HIVに感染したの・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「こういう職業をしてるから、いつかなるかもって思ってたけど、本当に私が感染するなんて思わなかった・・・それも、わざとだって・・・・」
Aは口を挟まず黙って聞く
「お医者さんは治療をすれば普通の人と同じように生きれるって言ってくれたけど、私ずっとこの仕事をして、他の事なんて全然知らなくて・・・天羽組さんが工面してくれるけど、ずっとそういう訳にも行かないし、私、これからどうすればいいのかわからなくて・・・・」
ハッとレミは顔を上げる
「ごめんなさい！あなたにこんな愚痴・・・」
「悩みを人に打ち明けるのって、結構勇気いりますよね、でも悪い事じゃないなら、別に謝らなくても良いと思いますよ」
「・・・ありがとう・・・・」
「何をするか、ですか・・・じゃあまずは色々やってみる事ですね」
「え？」
Aはニコッと笑う
「せっかく転職の機会を得られたんですから色々やってみましょうよ」
「で、でも、私HIVで・・・」
「今ってHIVの治療はかなり進んでるってお医者さん言ってた筈です。感染リスクも性行為以外でほとんどありませんし、働いてる人は沢山いますよ」
そっと手を握る
「“こんな事”、だなんて言わないで下さい。それにお客様がいるなら、立派な職業ですよ。並の覚悟では出来ない、貴女にしか出来ない事だったんです」
「・・・・・・・・・・・・っ」
視界が涙でぼやける
「そうですね・・・あ、思い付きました！」
「え？」
「レミさん！よかったらうちで暫く働いてみませんか？」
スマホを取り出したAはにっこりと笑った
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黄昏 - 妹ちゃん、格好いい!!GetBackers -奪還屋-に出てくる風鳥院花月みたいです。 (2022年7月12日 2時) (
レス) @page9 id: 7ec4680236 (このIDを非表示/違反報告)
朔間 四季(プロフ) - 最高です！！最後の姉さんとおやっさんの部分は面白くて吹き出してしまいました！！ (2022年7月10日 20時) (レス) @page6 id: 3b4222ad58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水琴 | 作成日時：2022年7月9日 1時
