59)極道の兄とバイティングの兄貴と仕事を失った夜の蝶 ページ30
「カブトォ！今日の星占いは10位！ラッキーアイテムの【牛肉】喰わせろぉ！それか頸動脈噛みきらせろ！」
「勘弁してください、ローストビーフおにぎりで我慢してください」
持っていた袋からラップに包まれたおにぎりを須永に渡す華太
「ローストビーフ、おにぎり？」
「妹からの差し入れです。ローストビーフの切れ端を細かく切って、山わさびとソースで味をつけたものをおにぎりの中身にしてます。美味いですよ。牛肉ですよ、ラッキーアイテムです」
「お？華太ぉ、何配ってんの？」
「小林の兄貴、妹からの差し入れです、食べますか？」
「食べる食べる♪」
袋に手を入れ、二つのおにぎりを取る
「肉そぼろと、鮭のハラミのおにぎりですね」
「今日はバリエーション豊かだな！俺のは塩昆布だった」
「俺、カリカリ梅でした！」
「そういう気分だったんですよ、ちなみに当たりは手作りのイクラの醤油漬けです」
親っさんが当てました、と付け加え、残りを配っていく
「ちなみに小峠の兄貴は何ですか？」
「俺は海老天だった」
「めっちゃ美味そうな奴！！」
須永は渡されたおにぎりを見つめ、大きな口で一口食べる
「・・・うめぇ・・・」
硬くなりがちなローストビーフの切れ端は柔らかく、ソースがしっかり絡まっていて、ピリッと来る山わさびが良いアクセントになっている
「(そういやぁ、金欠のうちの若いのをアルバイトさせてくれてたなぁ・・・)」
今抱えている案件について考えながらおにぎりを頬張った
――――――――――――――――――――
「♪」
日除けの番傘を差し、楽しそうに歩くA
「今日はキノコ尽くし♪」
ふっと何かが視界に入り、目を向ける
そこはいつも親子連れで賑かな公園、今は誰もいない時間で、ベンチに一人の女性が座っていた
「・・・・・・・・・・・」
Aは女性に近付く
「どうしました？」
「え？」
女性が顔を上げる
「あなた、天羽組の小峠さん所の・・・」
「やっぱり、にぃ様達と一緒にうちの店に来てくれたお姉さんですよね？どうしたんですか？顔色が悪いですよ？具合悪くて動けないならにぃ様か誰かに迎えに来てもらいますけど」
スマホを取り出すと、女性は慌てて止める
「違うの！私、実はもう、店で働けなくて・・・・っ」
じわっと浮かぶ涙
「・・・・・・・・・・・」
Aは困ったように頬を掻き
「じゃあ・・・とりあえずうちに来ます？開店準備もしてなくて、何もないですけど」
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黄昏 - 妹ちゃん、格好いい!!GetBackers -奪還屋-に出てくる風鳥院花月みたいです。 (2022年7月12日 2時) (
レス) @page9 id: 7ec4680236 (このIDを非表示/違反報告)
朔間 四季(プロフ) - 最高です！！最後の姉さんとおやっさんの部分は面白くて吹き出してしまいました！！ (2022年7月10日 20時) (レス) @page6 id: 3b4222ad58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水琴 | 作成日時：2022年7月9日 1時
