55)極道と夏祭り�� ページ25
同じ天色の瞳が期待と不安でキラキラ揺れている
「・・・・・・・・・」
俺の妹、可愛くないか？
後ろで見てた兄貴たちも同じ事を考えていた
「にぃ様も、忙しい・・・？」
「いや、大丈夫だ。行こう」
予定を確認しようとした手帳を閉じる
「(夜までに片付ける)」
「(死ぬ気で終わらせる野田)」
「(カチコミ予定今から片すかぁ)」
「(その日のシノギの予定は・・・)」
やったー、と喜ぶAの後ろで密かに心に決める兄達だった
――――――――――――――――――――
お祭り当日
「夜のお出かけ〜♪」
楽しそうに先を歩くA
白地に白と青の菊の模様が入った浴衣、同じ色の菊の髪飾りを白い頭につけている
「こら、先に行くな」
後ろから華太が歩いてくる
黒地に薄く登り鯉が描かれた浴衣
どちらもAが仕立てた浴衣である
「人が多いんだ、はぐれるぞ」
「はぁーい、あれ？」
ある場所を見たA
「にぃ様、兄様と約束したんですか？」
「は？」
見れば、そこには見覚えのある三人
「野田の兄貴、和中の兄貴、小林の兄貴、どうしてここに？」
「あ、来た来た♪」
ひらひら、と手を振る小林
「一緒に祭りを回ろうと思ってさ〜、かぁわいーなー」
「きゃー♪」
小林はひょいっとAを抱えて、くるくる回る
野田と和中は華太に近付き
「祭りの最中に馬鹿をやる半グレがいるらしい。俺らは見回りに駆け出された」
「それは、」
「どうせならお前さんらと回ろうと思ってな、親っさんからも許可は貰ってるから心配すんな。お前はAに付き合ってろ」
「はい、ありがとうございます」
「にぃ様ー？」
「今行く」
体格のいい小林がAを抱えていると、Aが随分と小さく見えた
「すみません、小林の兄貴」
「雛ちゃん小さいから人混みで迷子になるだろ？」
「確かに標準より小さいですが成人は過ぎてますからね？」
「にぃ様！目線が高い！」
「だろうな、頼むからそこではしゃがないでくれ」
天羽組でも怖がられる方の兄貴に対し、無邪気な妹が正直怖かった
「祭りと言えばたこ焼きだろ」
「かき氷は外せねーよ」
「A、りんご飴はどうだ？」
「わーい、いちご飴って食べてみたーい」
「甘そう」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 69人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黄昏 - 妹ちゃん、格好いい!!GetBackers -奪還屋-に出てくる風鳥院花月みたいです。 (2022年7月12日 2時) (
レス) @page9 id: 7ec4680236 (このIDを非表示/違反報告)
朔間 四季(プロフ) - 最高です！！最後の姉さんとおやっさんの部分は面白くて吹き出してしまいました！！ (2022年7月10日 20時) (レス) @page6 id: 3b4222ad58 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水琴 | 作成日時：2022年7月9日 1時
