53)極道の兄とガスバーナーの兄貴と組長夫婦�� ページ23
「タピオカ粉で作った生地に紫芋の餡を包んで作りました。本来はゴマ餡等を白玉で包むのですが、今は夏なので涼しげに作りました」
「まるで水晶のようね・・・素敵だわ」
「ありがとうございます・・・それは家族の円満を願って食べられるものだそうです」
「家族の円満を・・・」
組長はふっと笑い、Aを見る
「こいつは、あいつらの仕業か？」
「あなた・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
Aはにっこりと笑い
「とぅ様とかぁ様は良き子に恵まれてますね」
「何を言ってるんだ？」
「え？」
キョトン、とするAに2人は優しく微笑む
「貴女も、私達の可愛い子供よ？」
軽く目を見開いたAは、嬉しそうに、恥ずかしげに笑う
「えへへ・・・ありがとうございます」
―――――――――――――――――――――――
「ご馳走さん、A。とても美味かったぞ」
「ありがとうございます」
外へ見送りに出るA
「とても美味しいフルコースだったわ。最後のデザートはまた食べたいわね」
「今度いらっしゃる時にまた作りますね」
車に乗った夫婦
「無理を言って悪かったな」
「いえいえ、お客様のご希望ですから」
永瀬はAの頭を撫で、車に乗る
「またのご来店をお待ちしております」
一礼して見送るA
「さて、と」
暖簾を片付け、店の中に戻る
「フルコースはたくさん作るから楽しいけど、ちょっと大変ね・・・予約制になるし・・・あ、でも今度は和食とか違うので作りたいわね・・・」
ふっと撫でられた頭を触る
「・・・・・・・・・・・・・」
子供の頃は、親に撫でられた記憶なんかない
掴まれたり、殴られる方が多かった
でも、周りに恵まれた
優しくて、守ってくれるにぃ様
優しくて、色んな事を教えてくれるドヤ街の人たち
助けてくれて、生きる術と守る強さを教えてくれたねぇ様たち
変わらず仲良くしてくれる幼馴染みたち
今は沢山の兄様が出来て、親と言ってくれる人が出来た
裏世界で生きる彼等に、私が出来る事は少ない
私に出来るのは
「美味しいご飯を作る事」
美味しいものを食べると幸せになれる
私は今日も、それを信じて料理を作る
「いらっしゃいませー」
笑顔でお客様を出迎えるのです
54)極道と夏祭り→←52)極道の兄とガスバーナーの兄貴と組長夫婦��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 69人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黄昏 - 妹ちゃん、格好いい!!GetBackers -奪還屋-に出てくる風鳥院花月みたいです。 (2022年7月12日 2時) (
レス) @page9 id: 7ec4680236 (このIDを非表示/違反報告)
朔間 四季(プロフ) - 最高です！！最後の姉さんとおやっさんの部分は面白くて吹き出してしまいました！！ (2022年7月10日 20時) (レス) @page6 id: 3b4222ad58 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水琴 | 作成日時：2022年7月9日 1時
