49）たった1人の家族�� ページ19
Aがやっと泣き止んだ頃に紅林が冷たいジュースの缶を持ってきてくれた
「ほら、冷やしとけ」
「ん・・・」
Aは懐から手拭いを取り出し、巻いて赤くなった目元に当てる
「本当に大丈夫なんすか？」
「あぁ、心配かけて悪かったな。雛を連れてきてくれてありがとう、紅林」
軽く話をし、紅林はAを連れて帰る
「よかったな、なんでもなくて」
「・・・・・・うん・・・」
俯く幼馴染みの頭をわしゃわしゃと撫でる
「さ、帰ろうぜ。店を片付けるだろ？」
「うん・・・ジローくん」
「ん？」
「・・・ありがとう」
へにゃっと笑うA
紅林はニッと笑う
「俺達の仲だろ？また美味い飯を食わせてくれよ」
「うん」
―――――――――――――――――――――――――
店の合間をぬって病院に通った
「とぅ様は退院出来るんですか？」
華太の病室に組長もいた
「もともと大した事なかったからな」
「よかったです」
「にぃ様も退院したらお祝いしないと」
「そうだな、とびっきりのご馳走を頼むぞ」
「はい！とぅ様！」
するとノックの音が聞こえた
「すまない、飛龍連合会の伊賀だ。天羽の兄貴はここにいるかい？」
「伊賀？」
神妙な面持ちで入ってきた伊賀
「・・・・・にぃ様、とぅ様、私お花のお水を取り替えてきますね」
「すまない、雛」
気を効かせたAは花瓶を持って病室を出ていった
数分病院内を歩き、病室に向かう
「伊賀の伯父貴！！」
「！」
兄の声に病室に駆け込む
「にぃ様！？とぅ様！？」
「雛！！誰かを呼んでくれ！！」
そこには腹を斬った伊賀の姿
Aはすぐにベッドのナースコールを押し、自分の服の帯やリボンなどをほどき、止血を施していく
程なくして駆け付けた医師や看護師たち
「内臓まで達してる！急いで！！」
すぐに伊賀は担架で運ばれ、緊急手術となった
ここが病院であった事、そしてAの瞬時の止血処置によって一命を取り留めた
「医療関係者じゃないとは驚きました、あの処置がなければ助からなかったでしょう」
組長や伊賀を慕う極道達からは感謝された
謝礼を払おうとしていたが、勿論Aは断った
代わりに
「退院したらうちにご飯を食べに来てくださいなぁ」
いつもの綺麗な笑顔でそう告げた
50）極道の兄とガスバーナーの兄貴と組長夫婦→←48）たった1人の家族��
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黄昏 - 妹ちゃん、格好いい!!GetBackers -奪還屋-に出てくる風鳥院花月みたいです。 (2022年7月12日 2時) (
レス) @page9 id: 7ec4680236 (このIDを非表示/違反報告)
朔間 四季(プロフ) - 最高です！！最後の姉さんとおやっさんの部分は面白くて吹き出してしまいました！！ (2022年7月10日 20時) (レス) @page6 id: 3b4222ad58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水琴 | 作成日時：2022年7月9日 1時
