私達。結婚しました

最後の願い ページ34

貴方side



「酷いこと言ってごめん。


振り回してごめん。」





分かってる。



私が１番誰かを傷付けてるって






剛典「やだなぁ


俺、今完全に振られたじゃんか。」





「剛典くん。



...きずついた?」





剛典「人生で１番傷付いたかも。」





そうやって笑って誤魔化してる剛典くんを


私は１番傷つけたくなかったのかも知れない。






「でも、私、


初恋が剛典くんで良かったよ。」





剛典「あぁ、


最後にそういう事言われると困るんだけどなぁ。」




「えっ？ごめん！」






剛典「じゃーさ最後に、


Aにお願いがあるんだけど


俺の願い叶えてくれるかな？」





剛典くんの口から出る『最後』に

戸惑いを隠せなかったけど。



願いを叶えるべく静かに頷いた。




・


・


・


・




「わぁー


綺麗...」






着いた場所はとある海岸で



空に浮かんだ月と雲が柄になって海に浮かんでいた。






剛典「綺麗でしょ？」






「...剛典くんの願いって、これ？？」






剛典「俺。どうしてもAに見せたかったんだよねー。


まぁ、さっきまでAに
ここで告白するつもりだったんだけどさ。


...俺、先に振られてやんの笑」




幼かった頃には

剛典くんの横顔がかっこよくてキラキラして見えた。




でもどうしてだろう。


剛典くんは昔も今もカッコイイんだ


なのに、剛典くんの横顔を見ると


玲於くんが浮かんでくる。





剛典「Aはさ、絶対後悔するよね。」



「え？」



剛典「だって、俺を選ばなかったんだもん。



...まだ、遅くないよ？




俺の事選んでくれてもいいよ？」









「...剛典くん、ありがとう。


私の事好きになってくれて。


私、剛典くんの事好きだったから強くなれたし


好きって気持ち、分かるようになったのも剛典くんのお陰なの。




...私、今回の恋は絶対実らせるから。

剛典くん、幸せになってね。」





剛典くんには幸せになって欲しい。


そんな思いを精一杯言葉に馳せた。

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