私達。結婚しました

悪戯なキスを ページ27

貴方side





「そ、そんなわけないです。



玲於くんが私を待ってるなんて、


有り得ませんから...」








『左様ですか。


...では、今の言葉は白紙と言う事で。』









待っていたなんて有り得ない。



きっと最愛の人を考えてただけだから。








「あ、お会計は??」




『付き添いの方がお支払いになりましたよ』




「え、付き添い?」




『ご主人のお兄様が』




「剛典くんと...」






『少し口論になられていた原因も、


もしかしたら奥様かも知れませんね。』




「口論...


原因が私ですか？。。」






『...これ以上はお話出来ません。』





マスターが口に人差し指を当ててこう言った。






『...最後にひとつ






ご主人と仲良くなさって下さいね。』








マスターのその言葉に応えることが出来るか分からなかったので



小さくお辞儀して玲於くんの肩を持ってBarを出た。






・




・




・




「玲於くん。」




家のベットに寝かせて玲於くんを揺すっても起きなかった。





「お風呂...明日入るかな。」






そう思い私もベットに入った。







...玲於くんの顔を見つめるのいつぶりだろ。




思わず玲於くんの頬に手を出した時





玲於くんが寝返りをうった。






そして私の手を引いて






「れ、玲於くん?!」







私の唇を塞いだんだ。







私の初めてのキスだった








初めてのキスを。。。





私の目の前が滲んできたから


急いで壁側を向いた







なんで、キスなんかするの!



手出さないって言ったじゃん!







こんな事理由に泣いてる訳じゃない。









ただ、





私、玲於くんの最愛の人に重ねてキスして欲しくなかったんだ。








その夜、私は玲於くんの隣で



...ただ声を殺して泣いていた。

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