私達。結婚しました

深夜12時のCall ページ26

貴方side




今日は玲於くんが帰ってくるのが遅い日






帰って来ることが遅い方が


意外と気楽だと思い始めたこの頃。






多分



私と玲於くんは今1番、心が遠い。






だって玲於くんも私も


どっちも近付こうとなんて思っていないから。








表面は普通なんだ。




私の態度がちょっと変わっちゃっただけ







思えば玲於くんの事思わないで居た方が楽かも


なんて、思っちゃって


私の心はアラームがなってる









私たちの心が離れ始めた今日の夜12時





私の携帯に電話がかかってきた。





「もしもし。


どちら様？」






『遅くにすみません。


佐野グループの弟さんの奥様で宜しかったでしょうか』






「...はい。



夫がどうかしましたか？」







『ご主人が酔われてうちの店で寝てらっしゃるのですが...

御迎え宜しいでしょうか』






少し前だったらこんな事言われたら急いで準備して向かったと思う



でも、今はもう玲於くんが私と向き合おうとしない事が分かったから







「...わかりました。



伺います。」






焦ろうともしなくなった。







・




・




・




"カランコロン”






川沿いに佇む26階建てのホテルの最上階のBar






『奥様ですね。』





「はい。





...玲於くん起きて。」






『旦那様は奥様を待ってられたように思います』




「え？」





『酔ったら電話して迎えに来て欲しいと


この紙を私に差し出した時の顔は

恋しそうな顔をしてられました。』







Barのマスターだと思われる人にこう言われて

思わず瞳が揺れた。







どうして人の心って動いてしまうんだろう





釘で打ってしまいたいくらい




私の心は揺れていた。

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