ご要件 ページ15
太宰side
太「Aちゃん、君は一体何者なんだい?」
無言の緊迫した空気が広がる。
目の前に座っているのは探偵社のお手伝いさん…らしい。
らしい、とはっきりしないのもしょうがないのである、なんせ彼女は謎が多すぎる。
私が探偵社に入るまではいなかった。敦くんが入る時にはすでに入社していた。
入社したこともいつの間にかという感じで社員全員には紹介されていない。
国木田君と乱歩さんですらも詳しく教えてもらえていないらしい。
ただ、コミュニケーションをとるのは控えた方がいいらしく探偵社で彼女の姿を見ることはほぼないと言ってもいいぐらいだ。
一日の中で彼女の動きを見れるのは昼になると頼まれたおつかいを届けに来て、その後うずまきで昼食をとっている。ということだけだ。
でも少し前になんとなく国木田君に彼女の仕事内容について聞いたことを思い出した。
乱歩さんもそのことは知っていたらしく、今回のこの腕の件で可能性があるのは彼女しかいないと感じた。
太「君のことについて調べてみたんだよ。なんせ君は入社した時にも紹介されなかったからね。
でも何もつかめなかった。
情報を手に入れるどころか君の戸籍すら存在していなかった。
君の今までの人生も、関わった人間も、誰一人として見つからなかった。
あったのは今回の『女神の肢体』の女神であるという可能性だけ。」
それを聞いた彼女は口に笑みを浮かべていた。
その笑みは悪だくみもこちらを蔑むものでもない、どちらかというと自虐的であった。
『…そうですか。そうでしょう。
もう手遅れかもしれませんが、私のことはあまり詮索しない方がいいと忠告しておきます。
あなた方が調べたところで何も見つかりませんよ。見つけたとしてもメリットは何も生まれない。
こちらとしても不愉快です。
それでも知りたいというのなら。
代償は…
お分かり頂けますよね?
女神はそんなに優しくはありませんよ。』
女神はこれ以上ないといっていいほど程優しく、慈愛、慈悲を含んだ甘く柔らかい声でそう言った。
その微笑みは全てを知っているかのような、まるで全てから愛され慕われる母のような暖かさであった。
そして、全身の震えが止まらないほど凍えるように冷たく、本能が逃げ出したいと叫ぶようなそんな殺気を五感が目まぐるしいぐらい信号を点滅させ、
自分の心臓は彼女に握られているのだと悟った。
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ミコール(プロフ) - Saraさん» コメントありがとうございます!!全員ですか、、一度切り離すと神経と血液使っちゃうので今の夢主ちゃんでは難しいかも知れません、、、でもいつか出来るようにそれも頭に入れて構成練ってみますね! (2018年10月23日 17時) (レス) id: d52724f311 (このIDを非表示/違反報告)
Sara - 面白いです ついでに肢体窃盗犯たちの肢体を取ってしまって被害者達全員の体を治しましょう (2018年10月23日 15時) (レス) id: 6cf2837f77 (このIDを非表示/違反報告)
ミコール(プロフ) - ♪美桜♪さん» コメントありがとうございます!出来るだけ早く更新出来るよう頑張りますね!これからもよろしくお願いします…! (2018年10月22日 19時) (レス) id: d52724f311 (このIDを非表示/違反報告)
♪美桜♪ - コメント失礼します。こういうシリアス系のお話も好きなので嬉しいです!これからも作者様のペースで更新頑張ってください!応援してます! (2018年10月22日 19時) (レス) id: 951996096a (このIDを非表示/違反報告)
ミコール(プロフ) - めええいさん» あ!ほんとだ、わああ気づきませんでした…ありがとうございます! (2018年10月22日 7時) (レス) id: d52724f311 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミコール | 作成日時:2018年10月22日 0時