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夕暮れ時、放課後

雪は図書室で図書委員の仕事を全うする...ように見せかけ、毎日来るAのことを眺めていた

図書委員と言えどもこの埃臭い古い図書室なんて誰も寄り付かないので本を並べかえたり貸し出した本の確認なんてする必要がない

貸し出し返却の手続きをするパソコンの前にじっと座っているだけでいいのだ

からからから、とスライド式のドアが開く音がする

パッと顔をドアの方へ向ける

あぁ、やっぱり今日も来てくれた

今日も凄く綺麗で、可愛い

僕の愛するAちゃん

いつもの一番隅っこで風通しのよい隠れ良席に荷物を下ろし、昨日も読んでいた分厚い本を手に取り席へ向かう

歩く度に揺れる髪の毛がとても綺麗だ
真っ黒でしなやかでサラサラ

席に座って本を開き、ペラペラとページを捲るその細くてしなやかで色白な指
爪は綺麗に整えられていて、手荒れなんてしていない
あぁ、重ねてみたいな
繋いでみたいな

僕があまりにも長く見つめていたからか、彼女と目があってしまった
小さく首をかしげて僕に用件を聞く
綺麗で真っ黒で切れ長の目が僕を見つめる
この気持ちは彼女にバレてはいけない
こんな重たいやつに好きだと思われているなんて知ったら
きっともう図書室には来てくれないだろう
耐えられない
だから僕は即座に首を横に振った
何もない、何も感じてなんかない
すべて気のせいだ

僕は自分の気持ちを押し殺した

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作者名: | 作成日時:2018年2月13日 1時

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