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ーー波の音が聞こえる




熱を持った砂浜から逃げるように海へと歩いていけば

生温い水が波に揺られながら私の足を濡らしていく





"…ここ、俺のお気に入りの場所"

"誰にも教えてないから他言禁止な"






入り組んだ林を抜けた所にあるこの場所は

いつか徹が私だけに、と教えてくれた秘密の場所

誰も来ることのない、1人になれる場所だと彼は言っていたこの場所で私は1人歩いていた





「…学校、サボっちゃった」





腕時計が示す時刻はもうすぐ11時

…もう2時間はここに居る



すっかり温くなったミルクティーを飲みながら

何をするわけでもなくここにずっと居る



…あと24時間で、私は徹と大輝と離れなければならない

もっと一緒に居たかった

もっともっと…





「…っ……」





彼の笑顔を目に焼き付けたかったのに

思い出すのはあの日の冷たい表情だけで。




あの顔がすぐに浮かんできて、沢山の笑顔を消していった





すると、視界に赤い髪の毛が入り込む




「…欲張るからやで」

「…うるさい想太。てかいきなり話しかけないで」

「暇やねん、俺やって」

「女の子みて鼻の下伸ばしてくれば」

「憎まれ口叩くやん」

「……」

「…なぁ」

「なに?」

「もう、会わんくてええの?」

「…誰とよ」

「彼氏や彼氏!後悔せん?」

「…しない」

「嘘つけ」

「…合わせる顔がないよ」




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設定タグ:Da-iCE , 岩岡徹 , 工藤大輝   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:aaako | 作成日時:2020年3月8日 15時

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