君はそっと、俺の記憶を塗り替えた (ページ29)

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「…わかるよ。写真なら見た」

「ならっ…！！俺の気持ちわかんだろ？！！」

「分かるよ！！それでも俺はっ…！

あいつの後悔を消してやりたいと思ったんだよ！！
あと1日であいつは消えちゃうんだよ！！！！」

「…は？あと1日…？」

「明日の12時！！あいつがこの時間に生きれるタイムリミット！」

"だから会って話を聞いてやって"

そう、悲しみに包まれた声で俺は走り出した

汗なんて

暑さなんて感じないほど全力で。

「ーーAっ！！」

「徹？どした？Aなら休みっぽいよ」

「…っ、くそっ」

「え？あ、ちょっ！！授業始まるぞ？！」

大したものなんて入ってない鞄を握りしめ

いつも2人で歩いた道を全力で走る

いつか行きたいと言っていたラーメン屋も

いきつけだったゲームセンターも

よくアイスを買ったコンビニも

この道には沢山の思い出が詰まっていた

次第に見えてくる真っ白な一軒家

綺麗な花が咲き、明るい雰囲気漂う庭にはAのお母さんが居た

「…っ、あのっ！！」

「えっ？…あ、岩岡くん？」

「A居ますか？！」

「Aなら朝から学校に行ったけど…」

「…ありがとうございます！！」

すれ違いになる可能性はほぼ0で。

情報が無限にある状態から、君が行きそうな場所をしらみつぶしにあたることになった

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