確率たった2%の恋の話

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side yuki





思えばAは俺を両親並みに理解してくれた



ハンバーグが食いたい、というリクエストを出せば

問答無用でトマトを使った料理を出すA

食べれねぇよ！と文句を言えばそれしかないよ？とかまぁ生意気な言葉が返ってくる

そんな彼女も根は優しいから、俺が食べやすいような味付けを最大限してくれて

オーバーすぎる脂質やらを抑え、不足するミネラルやらはしっかりと副菜で補ってくれる

苦手なトマトも酢の物も、彼女の手料理なら頑張って食べられた



洗濯物の畳み方だって、俺のこだわりを知ったAは

タオル類だけを畳んだだけで、シャツ類はシワにならないように広げて置いてくれる

ハンガーにかけたままも余り好きじゃないと察したAなりの行動が当たり前だと思っていた


…なにもかも全て、彼女は最高だった




「…まじバカだな、祐希は」

「うるせぇ」

「言ったろ？あの子より祐希を支えられるやつなんかいないって」

「俺別に支えられたい訳じゃねぇし」

「んな事言ってさ、分かってんだろ？
自分の中でどれだけAちゃんが大きな存在か」




ちー祐希、会いたいな…?




「もうよそ見辞めたら？」

「よそ見って…」

「100%中2%だって掴みに行けよ」

「…！」

「1%でも可能性があるなら諦めないっていう祐希はどこに行ったんだよ！」




ーー2%




"…お兄ちゃん知ってる？"

"なに？"

"幼馴染と結婚するカップルって、たった2%なんだって"

"ぶっ…！！け、結婚？！"

"だからAちゃんと絶対2%を掴み取ってね！！"

"はぁ？"

"私、Aちゃんみたいなお姉ちゃんほしい！"

"…馬鹿いうな"





100%中2%


後には戻れない、100か0かの恋


何度も捨てた気持ちは、また俺の中で小さな芽を持った




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