異国の地で運命に巡り合えた話 2nd

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ーー私は一体何を見せられているんだろう




「祐希これ好きだよね」

「まぁ好きだけどさ…」

「はい口開けて？」

「自分で食べられるから！！」





驚きと苦しみが交わって、涙なんか流れてこない

2人が視界に入らぬよう柳田さんと兄を見て話をしていた


…でも、心に嘘はつけない




「…お手洗い行ってくるね」



賑やかな室内

隣に座る兄はすっかり酔っていて聞いてないだろう

それでも一応声をかければ



「…いってらっしゃい」




少し悲しそうな顔をした柳田さんが返事をくれた





「ーーふぅ」



…鏡に映る私は凄く不細工だった

必死に口角をあげてみても、引きつって見えるだけでみっともない笑顔しか作れなかった



「…帰ろうかな」



…イタリア、帰ろうかな

明日は祐希と会える日だったけど…帰っちゃおうかな

話したい事も色々あったけれど…いいかな？




憂鬱になりながらまたあの場所に戻る

扉を開け、一歩踏み入れようとした瞬間…



「ーーきゃっ！！」

「きゃああ！！」




冷たい何かが私を包んだ



「…うわっ、平気か？」

「ちょっ…！！」




たまたま扉付近で立っていたあの子にぶつかり、手に持っていた飲み物を被ったらしい

私は瞬く間にアルコール塗れになり、その一部が目に染みて涙が出てきた

視界にうっすら映った祐希がこちらに駆け寄るのがわかった

…どうせ、彼女を助けるだろう



「ーー大丈夫か？！」

「祐希冷た「ーA！これで顔拭け？なっ？」」

「…うん」



…あれ？私…？



「マサさんおしぼりもう一個！！…うわぁ服濡れたな…


…っ！コレ着て」

「祐希、私にもおし「タカシに貰って」…えっ？」




祐希が羽織っていた薄手の上着が私の肩にかかった


ありがとう、と言いたくて彼を見上げれば



「…っ…」



心配そうな顔をする祐希と、私を睨むあの子がいた



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