異国の地で運命に巡り合えた話

#2 ページ2

.





『ユウキ？大丈夫か？』

『気持ち悪い…』




大学とはまるで違う練習メニュー

慣れない環境と苦手なウエイトトレーニングに早くも身体は悲鳴をあげた




『今日は終わりだ。しっかり食べて明日に備えるんだ』

『終わり？』

『そうだ。終わりだ』





長く感じた練習を終え、練習場近くで食事する場所を探す



「…日本食ないかな。…ないか」



そんな都合良くあるわけない、と街を見渡してみれば

美味しそうなピザを食べるイタリア人が目についた





「マルゲリータなら通じるっしょ」




疲れた身体を引きずり、ガラス張りのお店へと入る

店内はガヤガヤしていて大繁盛

店のチョイス間違えたかな…と思っていれば




『…いらっしゃい！ごちゅ…』

「ん？…あっ」

「あっ…こんばんは」

「こんばんは…」




数日前、飛行機の隣の席にいた彼女だった




「観光？…じゃ、なさそうですね」

「あっ…はい。バレーボールで」

「あー！すぐそこの？」

「はい！短期留学で」

「あー、だから"初めてのイタリア語"を？笑」

「…まぁ笑」



なるほどね、と言った彼女は急に…



「Qual è il tuo ordine?」

「へっ？」

「あれ？教科書に載ってなかった？笑 ご注文は？…あ、メニューわかる？」

「全くわかんない笑」

「やっぱり笑 食べたいものは？」

「とりあえずピザと飲み物。あと野菜」

「ピザはね、マルゲリータが1番無難かな？野菜は…イタリアの外食では野菜の料理が少ないんだよね」

「そうなの？じゃあとりあえずマルゲリータとお茶で」

「はーい」




気さくな彼女

正直かなり助かった笑





.

#3→←#1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す