コートに舞う天才ペテン師

密着 ページ43

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日本を救うバレーボールの若きWエース

最高峰イタリアでの苦悩と挑戦の日々




ーーバレーボール最高峰リーグ イタリア
ここで、二人の若きバレーボール選手が己の力を試そうとプレイしていた


まず一人目は神 A27歳
199センチの身長を武器に戦うミドルブロッカー
高校卒業後日本のVリーグ"東レアローズ"に所属した後、単身ロシアに渡った天才と呼ばれたスパイカーだ


ロシアでポジションを変更し、それからはオールラウンダーとして全日本には欠かせない選手となり
ついに今年、イタリアへと渡ることを決断した



"ーーどうですか？イタリアは"

「イタリア…まぁ、楽しくやってます」

"ーー慣れましたか？"

「慣れ…てはないです笑 言葉はわかるんですけどね」



そう明るく話す神Aの裏の顔を追った




彼が今季所属するチームは、セリエA"トレンティーノ・バレー"
セリエAの中でも強者揃い。代表にも選ばれる選手も多く所属している

結果を出さなければ試合には出られない
…なぜ、彼はここを選んだのか



「…単純に強いチームで一番自分に合う場所を選びました。自分はお手本となるようなバレーをするチームには馴染めないだろうし。
沢山のチームから声をかけていただいて、プレイスタイルだとか…まぁ色んな面を考えた結果、ここのチームならバレーを楽しく出来るかなって」


"…試合に出れなくても？"


「まぁ、極論そうですね。どんなチームに居てもダメな時はダメ。試合に出れないっすから笑
だったら自分が好きなチームでやりたいなって」




チームに合流してこの日でおよそ1ヶ月
チームメイトに彼のことを聞いてみた




『ジン？彼は素晴らしいプレイヤーだよ！バレーボールを楽しんでプレイするんだ！
彼はとてもトリッキーで型にはまらないタイプだね笑 予測できないことをするから一緒にいて楽しいさ！』


『彼はとてもメンタルが強い。流される、という言葉を知らないから意見もキチンと伝える
飲み込みも早いし楽しいよ。彼とのバレーは』




皆が口を揃えていうのは"彼とのバレーボールは楽しい"だった



"ーー怖くないんですか？年上に意見を言ったりするのは"


「怖い、と思ったことはないです。真正面からぶつからないとわからないじゃないですか
自分を塞ぎ込んで従うだけのバレーボールなんて誰も面白くないと思います
少なくとも俺は、絶対に楽しくないし続けない。とっくにやめてると思います」





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