コートに舞う天才ペテン師

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コートに入り、ネットを挟んで相手を見る

チームメイトもいるし、敵として優勝を争った選手もいる




ーーぜってぇ負けねぇ






そんな気持ちとは反対に、まさかの連続失点

リズムを作れない日本



「…落ち着いていこう！大丈夫だ！」



コート内が慌ててる




「…ボール、俺にあげて」

藤井「…おう」

「絶対決めるから。二段でもクイックでも高くてもなんでも。」




相手のサーブが来る前に、口元を隠してナオさんにそう伝えた




技ありサーブは古賀先生が絶妙なレシーブで綺麗にセッターへ



祐希にあげると見せかけてのバックトスが俺に飛んでくる



「ーーっ、しゃあ！！」




高くて綺麗なボールを丁寧に打ち込めば、ブロックを通り過ぎてそのままコートに落ちていった




"ーー日本最初の得点はロシアを知る神Aのスパイクポイントー！！綺麗にロシアのコートに落ちました！！」


西田「ナイスキー！！」

石川「いえーーい！」

「もっとボールもってこぉぉおい！！」






ようやく走り出した俺たち

祐希のブロックポイントやマサのサーブも光る

西田のバックアタックも威力は半端なかったし

藤井直伸の代名詞 クイック多用戦法により俺と太志はかなりの点数を日本へと加算していった




石川「ーーブロック！！」



レフトから祐希の声が聞こえた

一か八かで賭けていた相手のレフトからの攻撃を塞ぐために

ここぞとばかりに飛んだブロック



「ーーっ、」




"神のブロックポイント！！ロシアのエース パベル・クルグロフを止めましたぁぁ！！"

"顔面当たりましたね…目？押さえてますね"

"神がコート内で座り込んでしまってますね…大丈夫でしょうか"



柳田「大丈夫か？！」

石川「大事？目？」

「めぇぇ…」

柳田「いけるか？」

「いける、大丈夫」

石川「ほんとに？」



座り込んでいると、ロシアのクルグロフがネットを超えて駆け寄ってきた



『ジン、大丈夫か？』

『おークルグロフ！！平気さ！！しっかしまぁナイススパイク！』

『すまないな』



手を差し出されたが、まだぼーっとして捉えられない




柳田「(チェンジ)」




それを見ていたマサが監督にジェスチャーを送る




石川「ちょっと休んできて。で、すぐに戻ってきて」

西田「俺ら、リードしとくんで！」

柳田「そういうことだから」




山内と交換し、ベンチで氷を渡されて冷やす

後方にはじいちゃん達がいる

俺はグーサインをこっそりと2人に送った

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