コートに舞う天才ペテン師

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初戦、スパイカーとしてスタメン表に名前が書かれていた


不安がまだ残る状態での開幕戦は

チームもまだガチガチに緊張していた




「ーーっしゃあ行くぞ！！」




気合い充分



…ブロック十二分！！

俺めっちゃマークされてんじゃん！！



"ネーションズリーグ男子開幕戦。今日の相手はオーストラリア
まず相手は日本のエース 今日はアウトサイドヒッターとして出場の7番 神Aを徹底マークしています"

"神選手は乗ってきちゃうと手が付けられないんでね。マークしてスパイクを打たせない作戦でしょうね"

"ミドルブロッカーからのポジション変更はやはり難しいんですか？"

"簡単じゃあないですけど、まぁ元々がスパイカーだったので神選手なら大丈夫でしょう"

"この予選ラウンド第１週はもう1人のエース石川は帯同しておりません。神選手の負担は大きいですね？"

"まぁそうですね。今のところ、苦しいボールは神のところにばっかり集まってますからね"




「…やっべ」




点数に差は開いているものの、なかなかスパイクが決まらない




柳田「…落ち着け。いつも通りやろう」

「うぃ」

柳田「余計な事は考えるな」

「ん？」

柳田「祐希のことは考えるな」





"石川選手は帯同してませんが、その穴は神選手が埋めるんでしょうか？"

"神選手がキーマンとなるんでしょうか？"

"神選手がーー…"


試合前のインタビューで、ずっと祐希の事を聞かれまくった



…あぁくそ！！どいつもこいつも祐希大好きだな！！

俺だってスパイクうめぇんだよ！！

見とけ馬鹿野郎！！




「ーーセンター！！」

藤井「…っ、！」





甘いスピードのチャンスボールが返ってくる

しかし悪戯好きなオーストラリアは何故かセッターを狙う

藤井さんがネット際、体制を崩しながらのオーバーでなんとかあげたトス

俺はそれをそのまま相手コートに叩き込む

ブロック3枚 隙間無し

…右腕に当ててワンチでいっか




"ーー神のスパイク！！ブロック3枚抜いてボールはコートに落ちました！！苦しい体制からのツーアタック！"

"よくブロック見てましたね"

"見事なコースでしたね！オーストラリアもこの表情です"

"神選手自身身長高いんですけど、ロシアで戦ってたので身長高い相手との戦い方を知ってるんですよね"

"日本が苦しい時に点を決める…まさにエースですね！"




「あーっぶね」

藤井「助かった！」

「タッチネットギリギリ笑」

柳田「笑いごとじゃねーよ笑」




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