コートに舞う天才ペテン師

NEWジャパン ページ12

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ある日の親善試合



ーー今日、ついに新しいコンビ技がベールを脱ぐ





石川「本当にトス出来んの？」

「出来んじゃね？俺なら」

石川「練習では？」

「9割できてる」

石川「やっっば」






バックアタックの体勢の祐希からオポジットの有志コンビにあげるフェイクの応用とはいえ

斜め前にあげるだけでは使えない俺と太志

いくら速いトスを打つ有志とはいえ、クイックとなれば話は別だ


更に条件は追加され、俺が前にいても太志はレセプションをしない

レセプションをする俺が前に飛ばさないとこれは成功しない

監督やコーチ陣に思わぬ落とし穴だな？と言われたが俺は笑って言い返した

…舐めんな、と。





石川「条件厳しくない？」

「厳しい方が燃えね？」

石川「まじで馬鹿じゃん笑」

「お前っ…俺先輩！！笑…あ、俺祐希にもトスあげるから」

石川「は？」

「何も後衛からのフェイクトスじゃないっしょ？」

石川「まぁ…」

「前衛の時にアタックラインからスパイクする練習もしたから。
フェイクするには距離が必要だったからなー、さすがに。
んでそれをライトの俺からレフトの祐希まで飛ばす」

石川「まじで言ってる？」

「まじ。え？なに？祐希出来ないの？」

石川「…出来るに決まってんじゃん笑」





だいぶ無茶な戦略

ブランコーチも難しい顔をしたけど、俺は実践で説得した



ゲームマッチではブロッカー陣は見事に釣られたし
ミドルコンビの方なんてノーマーク
バックライト側からの俺に釣られたブロックなんて
速攻並の平行トスに追いつくわけがない


それに俺と太志は案外ウマが合う
感覚が似てるかもしれない
正直太志じゃなかったら無理だったかもしれない




「…あーー！ワクワクしてきた！！」




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