身長差0の甘酸っぱい恋の話3rd

#139 ページ39

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「…ごめんね」

石川「謝って済む問題じゃないだろ？！こんな無茶して！！何やってんだよ！！」

「ごめん…」

石川「勝ちたかったのはわかるけどっ…なんで自分の肩捧げてんだよ！！バレー出来なくなってもいいの？！」

「もうっ…」




入院した、と連絡が入って訪れた病院

一般病棟とは少し離れた場所にある個室に俺の大事な人はいた

左腕は固定され、もうガチガチに肩壊しましたという感じで。



「もうっ、バレーボールはできないっ…」



そっと、静かに泣いていた








石川「腱板損傷…それって」


主治医に呼ばれて説明を受ける
まぁ俺も病気までは詳しくはないけれど、なんとなくやばいやつなんだろうなとはわかっていて。


医者「左肩を酷使し続けていたことで腱板断裂が起きてしまい、激痛に見舞われたということです」

石川「…治るんですか？」

医者「痛みは、薬がありますので治ります。…ただ、断裂してしまったものを治すことは難しいです。
自然治癒はほぼないと思っていてください

…手術を、おすすめします
せめて日常生活を送れるくらいには」

石川「…バレーは？あいつはバレーはもう出来ないんですか？」

医者「…リハビリを頑張って、復帰される方もいます。でも石川さんは4つあるうちの殆どが断裂…もしくは近い状態にあります

長いリハビリをすれば出来なくはないですが、今まで通りのプレイをすればまた同じような事になりかねません。
それでもリハビリを本人が望まれるのであれば、私たちは最大限サポートさせていただきます」



石川「ーーありがとうございました」

肩を落として小さな部屋から出る
俺はなんて彼女に声をかければいいのか悩んだ

大丈夫だよ？…そんな無責任な事は言えない

リハビリ頑張ってみよう…ダメだ、いい言葉なんて思い浮かばない




再び病室を訪れた俺の目に映った人物

…女子の監督と…誰か。




「…あぁ、祐希」

石川「こんにちは」

監督「こんにちは。合宿中に…お疲れ様」

「東レアローズの社長さん」



挨拶をして、少し離れた場所にいると




監督「…じゃあ、本当にいいのね？」

「はい。…すみません。こんな形になってしまって」

監督「何言ってるのっ！！謝るのはこっちの方よ！！こんな怪我させてしまって…！！」

社長「非常に残念だ…君みたいなプレーヤーが引退なんて」

「…お世話になりました」





怪我から二日後。

世界一のスパイカーは現役を引退した。




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