アイドルやめて、俳優になりました4

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「…え、出演するんですか？」

マネ「辞退を検討したんだけど、そしたら余計に騒ぎを大きくしちゃうからって


大丈夫？」

「…正直、出たくないです。でも宇多田ヒカルさんが作ってくれた曲をお披露目したいんで頑張ります」

マネ「頑張れ。でも無理だけはしないように」





何処に行っても、生きた心地がしなかった

とりあえず謝り倒したけど…






いつも以上に疲労し、ついに迎えた金曜日


H.UTADAあなたなら大丈夫よ



報道を知ってか知らずか、宇多田さんがこんな連絡をくれた



リハーサルを行い、準備万端で挑んだアウェイな現場



出演者は変わりなく、ジャニーズからはV6さんとHey!Say!JUMPが出ていた



ジャニーズと硬い縁があるこの番組らしく、俺は目立たない席でひたすら出番を待つ



隣にはコブクロさんが座っていて、少し談笑してリラックスできた



そして俺がタモリさんの隣に行き、マイクを使って軽く話す



久しぶりの歌番組。なんだか独りぼっちな気がした

…上手く歌えるかな？





リハーサル通り、とてもシンプルなセットのど真ん中に立つ


イントロが流れて歌唱が始まると…



ほぼ叫ばないとマイクが声を拾ってくれない放送事故

無意識に苦笑いをした顔を引き締めて、なんとか続ける



…せっかく作ってくれたのに、申し訳ない



そう思いながら真っ直ぐを見つめれば…





？「ーー矢狩っ！(小声)」




セットの移動中だった坂本くんが、生きてるであろうマイクを持ってきてくれた


カメラには思いっきりフレームイン


ほら！と笑顔で渡してくれるし…




とりあえず笑顔で受け取って、今度はしっかりと歌い上げる

猛練習のおかげで音程はバッチリ






…ありがとう、坂本くん



こんな状況なのに…申し訳なくて…






歌が終わり、下を向けば涙が一粒こぼれ落ちた





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