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智洋のおかげでダルさや熱が無くなり、休んだ次の日にまた大学にこれた




"なんか今日気合いはいってるなぁ"



"…そう、ですか?"



"恋してるやろ?いい笑顔しとるから"





手話サークルの丸山先生に会い、そんな事を言われて自分の服を見る

…どこも変わってないはずなんだけどなぁ




"自分じゃわかれへんよ。魅力ってのは、内面から湧き出るオーラみたいなもんやから"




頑張れ、と言われて肩をポン、と叩かれる。

…頑張って、みようかな?




なんて勇気を出して智洋を誘ったのはいいけれど。

あの少し派手な彼女が着いてきて、全然話が出来なくて

流星は知り合いみたいでなんとも思ってないみたいだけど

望はなんだかシュン…としてて

しげくんは…怒ってる?




私には2人の会話はわからないけれど

2人が仲良いのは見ればわかるし、距離が近いのを見ると…




「……」




しげくんが、眉間にシワ寄ってるってジェスチャーしてきた。

確かにそんな顔をしてたかも。





そのうち、流星と智洋とミカさんで話し始めて

望は気を使って私と話してくれて

しげくんは何処かを睨みながら智洋のコーラにコーヒーを入れていて




見たこともない笑顔で話す姿を見て


手話なんかせずとも話す姿を見て


思うままに意思を口で話し、耳で聞き取って笑える2人を見て




"…ごめん、何か買ってくる"




誰も見てないかもしれないけど、一応手話だけしてその場を後にする





"…あっ"





目の前を歩く知らない子が落としたノート


拾って声をかけようとする


でも直後に気付く、自分の不自由さ


肩を叩き、目を合わせなければ伝わらない気持ち


手話をわかる人でなければ会話すらままならないもどかしさ






"ーーっ"





声が欲しいと思った




耳が欲しいと思った




普通、が欲しいと思った





私は普通じゃない。

1人じゃなにもできない






「………!!!」





肩を掴み、怒った様子のしげくんがなにを言っているのかもわからない




ただ手を引かれるまま、私は彼に着いていくしか出来なかった。







[ なんで泣いてん?]



冷たくなった空気に包まれるキャンパス内のベンチ。

微妙な距離感を保ち、私と彼が座る。




[ 考えてる事当てたろか?…耳、なんで聞こえなくなったんやろとか思ってんねやろどうせ]


[神ちゃんとあいつ見て、そうおもっとったやろ]


[…なんでわかったの?]


[顔みりゃわかるわ。自分アホすぎやろ]





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みこ(プロフ) - まりんさん» こちらも読んでくださってるんですね!ありがとうございます!!!期待に応えられるように頑張ります! (2019年5月18日 23時) (レス) id: c6a330bc5b (このIDを非表示/違反報告)
まりん(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2019年5月18日 21時) (レス) id: b59f2ee03b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みこ | 作成日時:2019年5月17日 14時

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