第50話 見習い、死す！？ ページ8
私はどんな危機が迫ろうとも、例え相手が殴りかかろうが、刀や刃物を振りかざされようが、一切眼は瞑らない。
例えば、例えば私自身の四肢のどこかを切り落とされたとしても……私は目の前の物からは背けない。
故にこそわかった、首元に風が来たなと思って瞑った双眸を開きその風の来る方へと視線を流す。
___嗚呼、刀を向けられたのか。
それが第一の感想。
戦慣れしている私には、例えハンマーだろうが槍だろうが、刀だろうが武器諸々に恐怖を覚えた事はない。
敵の刀が、私の首を真横に斬ろうとしている。
そこまでに至るまでの時間は、一秒。
人から見れば瞬間的速度だ。だが、私からすればされど一秒。
あ「…え？」
然し、そんな私でも驚く事がある。
私の首に冷たい刀の感触がした。
……然しその刀は、眼前の敵のものではなかったのだ。驚くのも無理はない。視界にすら居なかった者が、私の首へ刀の峰を当て刃で敵の攻撃を阻んだからである。
そしてその超人、いや神業とも言える事を成し遂げた人物が、とんと私の肩に手を置く。
蓮「…き、貴様は……っ⁉」
「あっははは、何、驚く事など無いだろう。練度は上限に達してはいるが、俺とて出陣する身だ」
この柔らかい独特な口調、肩に置く手には手甲がはめられ、時折覗く紗綾形の藍色の衣が目の端で捉える事ができた。
「此奴の側は心地が良いだろう、それに中々揶揄いがいのある者だ。よく分かるとも、俺も、他の皆もそう思っている。……だが、」
そして、背後から伝わる怒気と凄まじいオーラから、その人物が誰かなのかなんて一発で分かる。
三「ちと、おいたが過ぎたようだな」
蓮「三日月…宗近……っっ」
先ほどの飄々とした物腰柔い感じの声とは全く別の、鋭く寒気がする様な低い声に更なる驚きを隠せない。
あ「な、何故貴方が…」
三「無事のようだな、良かった」
目の前に敵がいるというのに、ふわりと柔らかい安堵の表情を浮かべていた。
いやいや、安心するなよおじいちゃんっ。まだ敵いる、そこに！目の前に！居る‼
蓮「く、くそっ…」
三「太刀筋は中々ではあったが…何せ人だ、まだまだ弱いな。はいっ」
三日月さんが力を強め相手の刀を弾くようにしては、見事にその刀は宙を舞い地へと音を立てて落ちた。
呆気にとられている敵の隙を突き、三日月さんが私を庇う様に前へと出る。
くそ、スムーズ過ぎんだよカッコイイなオイ。
三「…にして、何時までその"面"を被っている？」
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鏡花水月 - 色んな意味で見習いちゃん好きw (2022年9月13日 20時) (
レス) @page21 id: ae0b8a4349 (このIDを非表示/違反報告)
はるかかなた(プロフ) - 好みドストライクです！鶴さんの暴走楽しみにしてます！( *´艸) (2021年1月20日 13時) (レス) id: 7585a0f391 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー大好き！！(プロフ) - 続きがとても気になります！！更新頑張ってください！！ (2020年12月25日 0時) (レス) id: 2d39102061 (このIDを非表示/違反報告)
MAI(プロフ) - 久しぶりに更新されていてとても嬉しいです！毎回楽しく読ませてもらってます。 (2020年6月5日 3時) (レス) id: 6e9a0782a5 (このIDを非表示/違反報告)
狼夢 - 素敵な小説をありがとうございます!!続き楽しみにしてます!!更新頑張ってください。 (2019年3月11日 20時) (レス) id: 65f6f3d763 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祇王 | 作成日時：2018年5月24日 22時
