第81話 後日談1(鶴丸) ページ32
________ピチチチチ
今日の天気は晴天、一点の雲もない清々し良い日に、俺はとある場所へと訪れていた。
鶴「…………」
あの演練から一週間経ち、俺達の本丸で変わったことが三つある。
一つ目は審神者・麗華だ。俺や日本号、山姥切達、分かりやすく言えば和泉守と鶯丸以外はあの女……見習いの戦闘中に会場の外に出されてしまった。
あの後何があったかわからんが、政府の役人に連れられてきた主は泣き腫らし、皆が騒ぎ出しそうになりはした。だが、その眼の奥の決意に察しがいい奴らと俺は今までの事がバレたんだと分かった。
帰還後はおどおどになりながらも、短刀達に土下座し回って、必死に詫びて……今は頑張って会話をしようと努力している最中だ。
二つ目はあの女こと見習い。
演練から何故か狐の面を取って飄々と過ごしている。こればかりは悔しい。俺がどうにか暴いてやろうと必死に……ゴホンゴホンッ、楽しみにしていたってのにな。
漂う霊力に見合う顔立ち、一部の刀だけに見せる(俺には決して頑として見せてくれやしない)笑った顔。想像的には並より上あたりだと予想していたんだが、まぁまぁ、そこそこいい顔をしている。
そして三つ目。
鶴「…………、」
今厨で前田と平野と料理をしている見習いをこっそりと絶賛観察中のこの俺、鶴丸国永だ。言っておくが覗き見じゃないぞ、断じて違うからな。
俺の何が変わったかって?
見た目も中身も何にも変わっちゃあいない。どこもおかしくもない、変化してもいない。
いないわけなんだが………
前「見習い様、筑前煮ができました!」
平「こちらも韮と卵のお味噌汁、完成です!」
あ「わぁ、美味しそうですね!流石は前田くんと平野くん。よく頑張りました」
短刀達には変わらずのあの笑みを向けている。
ただの笑み、そうただの微笑み……
が、何故かキラキラと眩しく輝いて見える。
そう、俺が変わったことで史上最大の悩みとも言えるこの現象。俺の目がおかしいのかと思って、出陣でわざと攻撃をくらい手入れをしたにも関わらず全く治らなかった。
どうしてくれるんだあの女っ……
お陰で近侍の長谷部にさらに輪を掛けられて説教されたじゃないか‼‼
ギリっと歯軋りを立てあの女を睨んでいると、後方から慣れた声が聞こえて来た。
鶯「なんだ、覗き見か?」
鶴「ち・が・う!」
三「その様に殺気立っては、彼奴も近付いて来ぬし笑顔も見せないだろうな」
はっはっは、と呑気に笑う二人に苛立ちを覚えた。
803人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
十六夜 - えぇ、鶴丸落ちになりそうなんですが(汗)わたしは、三日月推しです!!! (2018年5月17日 3時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 続きは、まだでしょうか?早く続きが読みたいです!! (2018年3月30日 11時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うぉぉぉ!!!すごく面白いです!!!今後の展開も楽しみです! (2018年3月6日 22時) (レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
白紫乃(プロフ) - とっても好きなお話です!更新お待ちしております! (2018年2月21日 20時) (レス) id: 43803e668e (このIDを非表示/違反報告)
霜月 - 鶴丸は、夢主が好きなんですね。でも、私としては三日月落ちがいいです!!三日月、大好きです! (2018年1月14日 15時) (レス) id: 51d1ba9355 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミコ | 作成日時:2017年8月28日 12時