第75話 女審神者と見習い ページ26
気が付けばすぐ隣にガン見刀剣男士の鶯丸がいた。
漸く和泉守が離れてくれて(未だ背から抱き締められてる状態だけれども。)私は鶯丸の方を見上げた。
鶯「怪我は痛くないか?」
あ「はい、大丈夫ですよ」
問いに平気だと微笑んで答えると、そりゃ素晴らしく柔らか過ぎる微笑みを浮かべてはよしよしと頭を撫でられた。
鶯「見習いの綺麗な顔に傷が残っては大変だな、後で俺が手当てをしてやろう」
兼「いやアンタできねーだろ」
自信満々に答えてはすかさず和泉守がツッコミを入れ、当の本人は気にしていないと言わんばかりに笑顔を浮かべていた。あ、これ本当にできないって顔だな。
そんなのびのびとした和やかな雰囲気は、突如として飛んできた何かを察知し素手で受け止めた事よって見事にぶち壊された。
飛んできたものは、掌に収まるほどの小石。
……は?石?
飛んできた方角を見れば、思わず顔が真顔になる。
そうだった、この演練の中でクソ中のクソをすっかり忘れてたや。
見れば思い切り投げ終わっただろう後のクソ審神者の麗華が試合場へと降りこちらへと来ていた。
あ「石を投げるのは危ないですよ?」
主「あ、貴女は平気でしょ⁉」
まぁ平気ですけどね?
主「何よ、何なのよ!何処まで私を恥ずかしい目に合わせれば気が済むのよ‼この、腹黒女!」
その言葉そのままそっくりブーメランだぞ。
心の中で審神者へ毒を吐きつつも黙ったまま聞く。
主「私の刀を誘惑して、乗っ取ろうと企んでるんでしょ⁉知ってるわよ!全部鶴丸に聞いたんだから‼」
あ「……」
主「どんな手を使ったのかなんてわかりはしないけど、貴方最低な女よ!屑、いえ、刀剣男士と互角に戦えるなんて、化け物ね‼‼」
化け物、という言葉に思わず指先が動いた。
そして一歩一歩、其奴へと近づく。
主「化け物が見習いのフリをして乗っ取りにやってきた!その事は初めから知っていたのよ‼化け物とわかった以上このまま野放しになんてできないわ!」
兼「主‼言葉が過ぎるぞ!」
主「黙りなさい‼この化け物は戦う最中も大いに奇妙な術を使っていた!人ならぬ速さで刀剣男士と戦っていた‼化け物以外なんだというのよ‼」
化け物、化け物……
自覚済みだが、このクソ女に言われると腹が立つ。
主「貴方達もバカね!こんなクソみたいな化け物の誘惑に嵌るなんて‼」
クソ女の一言で、どうにか保っていた何処かの線が見事にぷつんと全て切れた音がした。
803人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
十六夜 - えぇ、鶴丸落ちになりそうなんですが(汗)わたしは、三日月推しです!!! (2018年5月17日 3時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 続きは、まだでしょうか?早く続きが読みたいです!! (2018年3月30日 11時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うぉぉぉ!!!すごく面白いです!!!今後の展開も楽しみです! (2018年3月6日 22時) (レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
白紫乃(プロフ) - とっても好きなお話です!更新お待ちしております! (2018年2月21日 20時) (レス) id: 43803e668e (このIDを非表示/違反報告)
霜月 - 鶴丸は、夢主が好きなんですね。でも、私としては三日月落ちがいいです!!三日月、大好きです! (2018年1月14日 15時) (レス) id: 51d1ba9355 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミコ | 作成日時:2017年8月28日 12時