第79話 審神者の処遇 ページ30
一度地に額を当てる様に深々と土下座した後に、顔を上げて榊を見やった。
彼は私が死神であり、死神の神の子であり、時期その頂点になる事を知っている人物だ。その事もあってか、咥えていたタバコをぽろっと下に落としてぽかーんと口を開き唖然していた。
役「……え、ちょっ、何やってんですか貴女ぁぁあああ⁉」
あ「あ、役人榊さんから何時もの榊さんに戻りましたね」
役「いやいや、そんなのどうでもいいですって!あ、言っときますがどっちも俺に変わりはありませんよ」
どっちもお前なんかい。
役「俺のことよりもですね、貴女がその様な事をしなくてもいいでしょう」
あ「私の隣にいる、神様が土下座しているんです」
倣ってするのが当然だろ、と顔で言えば頭をガシガシとかき渋った顔をする榊。
あ「審神者は、麗華は審神者として愚かな行為をしていた。それは短刀を担当していた私が彼等に直接聞きました。許せない、許されない行為なことには何も変わらない」
主「っ、………」
私はゆっくりと立ち上がり、両手をぎゅっと握りしめ俯く麗華を見やった。
あ「だが……彼等の唯一の主は彼女であり、彼等に必要なのは審神者……否、彼女だ。短刀達も他も、彼女に対して諦めは抱いてはいたものの、怨みは全くなかった」
審神者さえあれば、付喪神の彼等は顕現できる。
然し、彼等はいうのだ。あの審神者がいいと。
あ「私は彼等の意思を尊重する。報告した通り、麗華の審神者の本丸はブラック中のブラックだ。だが、まだ改善できる点もある」
敵審「人一倍頑張っていたんですっ。お願いします、どうか、もう一度チャンスを!」
主「あ、あなたたち……っ、ばかじゃっ、ないの……っ?」
ぼろぼろと止め処なく麗華の目尻から涙が零れ落ちた。榊のあの顔を見て泣きたくともグッと堪え、強くあろうとした彼女が、涙を流した。
主「なんでよっ、私は、自分の思い通りになる刀しか可愛がらなかったのに!なんで、そこまでっ」
兼「言っただろう、」
俺達にとって、あんたは大事な主だと。
彼の言葉が、深く深く心に響き染み込む。
榊「………"死神"、貴女の判定を聞かせて頂こうか」
あ「あはは、ブラックなことに変わりはなし。だが、改善の余地があると判明。捕らえはしないが、それなりの罰……そうだな、課題を課すとしこの件は終いとする。文句は、ないな?」
ちらりと麗華を見遣れば、数回頷き其の儘地へ泣き崩れてしまった。
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十六夜 - えぇ、鶴丸落ちになりそうなんですが(汗)わたしは、三日月推しです!!! (2018年5月17日 3時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 続きは、まだでしょうか?早く続きが読みたいです!! (2018年3月30日 11時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うぉぉぉ!!!すごく面白いです!!!今後の展開も楽しみです! (2018年3月6日 22時) (レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
白紫乃(プロフ) - とっても好きなお話です!更新お待ちしております! (2018年2月21日 20時) (レス) id: 43803e668e (このIDを非表示/違反報告)
霜月 - 鶴丸は、夢主が好きなんですね。でも、私としては三日月落ちがいいです!!三日月、大好きです! (2018年1月14日 15時) (レス) id: 51d1ba9355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミコ | 作成日時:2017年8月28日 12時