【刀剣乱舞】任務先は黒本丸の見習い２

第70話 鬼道 ページ21

さぁ、来い‼‼
可愛い子虎集団を蹴り飛ばそうと足を構えた瞬間。
目先に見え襲いかかろうとするのは、ちんまりサイズじゃなく、森林地帯などに生息する皆さんお馴染みのあのホワイトタイガー。


虎「ガウ‼」

あ「はぁぁあああ⁉っ、」


スモールではなくビックサイズに変化した虎に、なんとも間抜けな声を出しては後ろへと飛び下がる。

え、ビックじゃん‼‼スモールどこいったの⁉というか他の4匹の虎は何処よ⁉まさか共喰い？肉食だからあり得……るわけねぇか。

ボケツッコミを内心でやりながらも、素早い虎に圧倒されていく。
やばいな、ビックな事もあり普通に蹴り飛ばす事は容易ではない。それに、敵はこの虎だけじゃない。
他にもバカデカイ大太刀構えたゴリラが2体に、ピカチュウゴリラ1匹にゴリラジジイが1体。すばしっこいのが2人だ。

……6対、いや7対1で人間の領域で勝てるわけがない。然し、ここで死神のあれやこれやを使うと後々厄介な事になりかねない。
さぁて、ちょっと困ってきたな。


役『貴女一体何やってんだよオイィイイ‼‼』


チッ、うるせぇな。
誰だと思うもこんなに煩い奴はこの政府内で一人しか知らない。そう、私の担当の榊だ。
私はバク転をしながら後ろへと下り声を上げる。


あ「煩いですよ！」

役『煩くさせてんのはアンタだ！早く中断を、』

あ「この会場の出入り口全て塞げ！」

役『なっ、はぁぁぁあああ⁉』


素っ頓狂な声を上げる榊。
オイお前、マイク越しだってこと分かれよ？声がデカすぎて煩い。

然し私のたったその一言で理解したのだろう、またもマイク越しで政府の役人に指示を出していた。彼は頭が良くキレるから色々と言わずとも助かる。


役『全て塞ぎましたよ………なるべく壊さないようにして下さいね全く』

あ「助かります、有り難うございます」


さて、後は見られようが構わない空間。私が他の審神者や刀剣の連中の記憶を消去すればいいだけの事だ。
漸く、少しは戦いやすくなったな。


敵光「よそ見してちゃ、危ないよ？」

敵蛍「そーれ‼」


至近距離まで攻めてきたゴリラ2体。
振り下ろされた二つの刃を片腕で握る刃で防ぐ。そして大太刀ゴリラ君へと掌を向けた。


敵蛍「えっ、」

あ「破道の三十三・蒼火墜」


一気に掌に霊圧が集中して、死神特有技の鬼道を腹に打ち込んでやった。見事鳩尾に入ったのか、一発KO。
鬼道を手品と思い込んだ周りは一層歓声を上げ会場は大きく盛り上がった。

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