【刀剣乱舞】任務先は黒本丸の見習い

第33話 ブロッコリー ページ34

ふと目を覚ますと、其処は本丸のとある一室。
のそりと起き上がると、あの白のくそ刀や槍勢に負わされた傷の痛みが全くなく、ただ包帯が巻かれていた。寝ているのは誰かのふかふかのお布団様。
……あれ、いつの間に帰ってきたんだっけ？

私は大量ケチャップパラダイスにより、ほぼ瀕死になっていた。確か兼さん刀剣男士の頼もしさを見て安心して、必死で繋ぎ止めていた気を緩めてパタリ。

あの中だとやはり兼さん刀剣男士だろう、運んでくれたに違いない。
彼もそこそこの傷だったんだ、無理をさせてしまったなぁ………


あ「……でも、ショターズは大丈夫かな、」


一番気になるのはレベルが低かったショターズこと短刀達。投石や弓矢で既に重傷レベルだったはずだ。……私あんまりわかんないから勘だけど。

起き上がって短刀達の様子を見に行こうと思った瞬間、薬研の声が聞こえた。


薬「見習い、入るぜ」

あ「あ、薬研さん？」


障子の影がビクッとなって直ぐにガラッと開かれた。……が、薬研の姿に思わず息を飲んだ。


あ「……え、や、やげ…、」

薬「心配したぜ見習い、二度とあんな無茶するな」

あ「いやっ、そうじゃなく、」

薬「ん？俺っちの顔に何か付いているか？」

あ「付いてるってレベルじゃないんですけどね⁉」


言葉を続けようとすれば、バタバタと廊下に足音が響き渡りこちらへと向かってくるのがわかった。
……ま、まさかっ。

現れた可愛いショターズ。頭から下は別に問題はない。ただ、彼らの頭部が……まさかのブロッコリーなのだ。
突っ込ませろ、ブロッコリー⁉


あ「待って‼なんでブロッコリーなの⁉てかちょ、待って、理解に結構時間かかるから近寄ってこないでぇぇええ‼‼」


私の言葉も虚しく、短刀のショターズは私に近寄るというよりも、襲いかかってきた。
ブロッコリーの形をして。

とりあえず、もう一度突っ込ませろ。



あ「だから何でブロッコリー⁉⁉」


叫びながらガバッと身を起こすと、傍に黒髪眼帯刀剣男士と、肌が外国人の刀剣男士が驚いた様に目を見開いて私をガン見していた。

ちょっ、ガン見やめてくんない？
ガン見刀剣男士は鶯だけで十分だ。というか眼帯刀剣男士さん？濡れタオル畳に落としましたけど？


あ「あ、あのー？」


声を掛けるとビクッとわかりやすく肩を上げた眼帯さん。
失礼なと思ったのも一瞬だった。
彼の隣に置いてある奴、それは私が常時身につけていたあの面だった。


……やっべ。

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