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歩くたびに軋む床、埃の被った家具たち。切り裂かれたカーテンと、壁に飛び散る赤色。
ここで何が起こったのか、大体のことは想像できた。
もうそろそろ呪霊の姿を見かけてもいい頃合いなのに、どこを探しても奴を見つけられない。
悠仁の方に固まってるのか？廊下を歩き続け、辿り着いた一つの部屋、ここを覗いて何もなかったら悠仁の方へ行こう。
きぃー、と嫌な音をたてながらドアが開いたそのとき。
私の体は大きく飛ばされ、壁に強く打ち付けられる。かは、と口からおかしな咳が出て、同時に襲ってくる激痛。
肩が痛い。左肩。反射的にそこをぎゅっと押さえようとしたけれど、私の右手は空を掠る。
左肩から手に掛けて、消え去っていた。
「え、」
『イたいよぉ、おカアさん』
聞いてない、聞いてない。これは、三級なんかじゃない。いままでで一度だけ出会ったことがある、あいつと一緒。
「特級…」
四級程度の私が倒せるはずのない等級の呪霊。そして私は何となく察する。
あー、ここで死ぬんだ。って。
呪術師とは残酷な職業。常に死と隣り合わせで、明日が来ることは奇跡に近い。
死ぬときは一瞬。体の一部が綺麗に残っていたらまだいい方で。
せめて一部は綺麗なまま死にたい。
「…そんな贅沢、言ってられないか。」
誰かのために命を落とすことが出来るのならば、それ以上に名誉なことはない。
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shinox2(プロフ) - 更新ありがとうございます！！ (2021年10月6日 0時) (
レス) @page31 id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - すいません誤字ってしまいました...これからも頑張ってください！ (2021年8月14日 14時) (レス) id: a20e372e06 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - 前回の作品から来ました！めっちゃ続き楽しみです！これからも頑張ってくださ！！応援してます (2021年8月14日 14時) (レス) id: a20e372e06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：巫女@桜 | 作成日時：2021年8月13日 0時
