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目の前に赤が散った。
久し振りに見る、生暖かいそれが佐藤さんのものであるということを理解するには少し時間が必要で。
「Aっ、」
「…どういうこと、これ。」
「とりあえずもうこれは俺たちだけで手に負える問題じゃねえ。」
教室の窓にまで血飛沫が飛び、さっきまで私と会話していた彼女の体はごろりと床に転がっている。
何が起こったのか、もはや考えたくもない。
スマホを取り出し、少し震える手で悟くんに電話を掛けるが出なかった。
「出ない、悟くん。」
「仕方ねえよ。出張だろ？」
「硝子ちゃんに電話してみる。恵は外見張ってて。生徒にこんな場面見られたらやばいでしょ。」
「大丈夫か。」
「平気だよ。」
恵をこんな場所にずっと居させるわけにはいかない。
私だって正直この部屋にいるのは嫌だけど、調べたいこともある。
『もしもし。』
「もしもし、硝子ちゃん？Aだけど。」
『ああ、どうした？』
「いまどこにいる？」
『いまか？出先で東京駅の近くにいるが、どうかしたか？』
「私恵と一緒に音駒高校にいるんだけど、目の前で、女の子が呪霊に殺されちゃった。」
『そうか。補助監督は？』
「伊地知さん。」
『分かった。いまからすぐそっちに行くからもう少しだけ待っててくれ。』
それからすぐ切れた電話。良かった、硝子ちゃんは東京にいてくれた。
スマホをポケットに入れて、倒れた彼女の傍にしゃがみ込む。
首が裂けている。恐らくこれが死因になるな。
「…ん、なにこれ。」
少しはだけた制服から覗いていた鎖骨部分、妙な痣があることに気が付いた。
何かの形に見えなくもない。
考えこむ私だったがその思考は廊下から聞こえてきた恵の声によって遮られることになる。
だからその痣の写真を1枚だけ撮り、急いで廊下へ出た。
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shinox2(プロフ) - 更新ありがとうございます！！ (2021年10月6日 0時) (
レス) @page31 id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - すいません誤字ってしまいました...これからも頑張ってください！ (2021年8月14日 14時) (レス) id: a20e372e06 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - 前回の作品から来ました！めっちゃ続き楽しみです！これからも頑張ってくださ！！応援してます (2021年8月14日 14時) (レス) id: a20e372e06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：巫女@桜 | 作成日時：2021年8月13日 0時
