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No side

月夜の明かりだけが屋敷を照らす午前二時。

世にも珍しい四つ目をぎょろぎょろと彷徨わせながら周囲を観察する青年は、先ほどまでの柔らかい雰囲気など消え去り纏うそれは殺気そのものだった。

顎に手をやり、少し考える素振りを見せた彼はおもむろに歩き出す。


「貴様、ここで何をしている。」


完全に腰を抜かした人間が1人、座り込んでいた。

面白半分で彼に近づくが怯え切った眼鏡の青年はまともに会話もできない。

大きな舌打ちをしてから彼は指を動かして見せた。

面倒だから殺してしまおう、そう考えていたのだ。しかしその動きはぴたりと止まる。

視界の端に妙なものが映ったのだ。

人間の腕。肩から手に掛けて、血溜まりの中にそれが落ちている。

女性らしい細い指に、見覚えのあった青年は目を細める。

しかしその感情は恐怖や怒りではない。単なる好奇心だ。

「まあ良い。」

殺そうとしたその動きを、意識を消す術へと変える。

動かなくなってしまった青年を跨ぎ、勘を頼りに歩いていけば辿り着いた先に少女が倒れているではないか。

しかし口元に手をかざせば微かに息はしているようだった。

「こいつをやったのはお前か?」

青年は呪霊を睨みつける。彼の雰囲気に怖気づいて逃げ出そうとした呪霊は蛇に睨まれた蛙のように動かなくなった。

「そうか。ならば、」

死ね。

遠慮なく指を動かし、呪霊を消し去った。

「おい。この俺の前で堂々と眠りこけるとはいい度胸だな。」

少女の頬を軽く抓るが、目を開ける気配はない。

「…仕方ない。これは貸しだ。」

頭に手をかざし、少女に反転術式を使う。






「貴様に死なれては困るからな、なァ?“芦屋”。」

口達者な爺さん→←。 ※都合上お話を一部変更しました



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shinox2(プロフ) - 更新ありがとうございます!! (2021年10月6日 0時) (レス) @page31 id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - すいません誤字ってしまいました...これからも頑張ってください! (2021年8月14日 14時) (レス) id: a20e372e06 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - 前回の作品から来ました!めっちゃ続き楽しみです!これからも頑張ってくださ!!応援してます (2021年8月14日 14時) (レス) id: a20e372e06 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:巫女@桜 | 作成日時:2021年8月13日 0時

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