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後輩が出しゃばり過ぎたか、と一瞬心配になつたけれど先輩たちは熱心にアドバイスを元に熱心に練習を始めた。
分からなければ聞きに来てくれたし、だから私もそれに応えるように持てる知識をの中で指導した。
「狐崎さん、」
「…吉永。」
私を女子バレー部に勧誘しに来た後輩の中にいた1人が私を呼び止める。手にはバレーボールを持っていて、そこでようやく彼女もその体育館にいたことに気づいた。
「なんの用事や。」
「何で今更協力してくれるんですか。」
「勘違いすな。私が協力するのは先輩たちだけや。」
何を言われようと、その意思は動かない。私はかつて自分を嫌っていた人たちに自分の力を貸すほどお人好しじゃない。
それにこいつらも都合が良すぎる。私を嫌っているくせに。
「狐崎!何してんねん、はよ帰るで!」
「侑くん、」
指導にも熱が入り、さて次は何をしようかと考えていると突然私を呼ぶ声が。
呼んだのは侑くんだけど入り口には他の3人も立っていた。
侑くんはずかずかと体育館に入ってくると私と向かい合う後輩の間に入り、きつく睨みつけた。
「お前、あのときおったやつやな。いまさらどの面下げて此奴の前に顔見せてんねん、しばくぞ。」
「侑くん、いいから。すいません、今日はこの辺で失礼します。それじゃあ。」
「あ、うん。お疲れ様です。」
「お疲れ様でした!」
未だにガンを飛ばし続ける彼の背をどうにか押しながら体育館を出た私は、他のみんなにも怒られながらも急いで着替えに行ったのだ。
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山さん - 俺だったら夢主ちゃんみたいに優しく出来ないなぁ……ええ子や……絶対俺だったら暴言言っとる…… (2021年10月10日 22時) (レス) @page22 id: a9954d5378 (このIDを非表示/違反報告)
アキネコ - 真柴白さん» 待ってます (2021年8月8日 20時) (レス) id: 15b517afd7 (このIDを非表示/違反報告)
真柴白 - 何回も涙が溢れて来る作品ですね・・・。イジメに関しては、自分も学生時代あったから分かるし、自分の周りに男子が居ると女子からの視線・やっかみ・悪口・陰口とか、色々な事されて来たので作品を読んで号泣でした。更新待ってます!!! (2021年8月7日 4時) (レス) id: 2566c936e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:巫女@桜 | 作成日時:2021年7月30日 19時