・ ページ6
部活終了後、片付けもそこそこに二年生組が私を囲む。
「狐崎、あの女バレの人になんもされへんだか?」
「されてないよ?」
「なんで治連れて行かなかったの。」
「あんな怖い顔してる治くん連れていけないでしょ。」
こんなだったよ、と両手をそれぞれ目元に置いてくっと目を吊り上げる。
するとその顔がどうやら面白かったらしく銀島くんと角名くんは笑った。
「それにあの人は悪い人じゃなかったから。」
「そうなら、ええけど。」
「はい、分かったらさっさと着替えて来て!」
体の向きをかえさせて入口まで押していく。そこまでしてやっと彼らは部室まで歩き始めた。
もう一度全ての戸締りを確認してから体育館の鍵を閉め、私も着替えようと部室に向けて歩き出したとき。
女バレが使っている第2体育館の電気がまだ点いていることに気が付いた。
いつもなら何ら気にしないけれど、今日はやけに気になり何となくその体育館へ向かう。
小さく開いたドアの隙間から中を覗くと数名の部員たちが練習をしていた。
恐らく居残り練習。
居残り練習をすることは何も悪いことではないが、この練習ではためになっているのか?と問いたくなるものばかり。
私は黙っていられずにドアに手を掛けて中に入る。
「失礼します。」
「え、狐崎さん?!」
「真柴さん。真柴さんはもっと跳べます。」
「え?」
「すいません、あなたセッターですよね。」
「え、あ、うん、そうやけど。」
「もう少し高めのトス上げてもらえますか。」
「でもこれが真柴の最高到達点やから、」
「いいから。それと、真柴さん。あなたはジャンプの踏み切りのときもう少し深く溜めてください。その方が高さが出る。」
「でもそしたら間に合わんくないですか?」
「真柴さんの走り出すタイミングを早くすればいい。」
269人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
山さん - 俺だったら夢主ちゃんみたいに優しく出来ないなぁ……ええ子や……絶対俺だったら暴言言っとる…… (2021年10月10日 22時) (レス) @page22 id: a9954d5378 (このIDを非表示/違反報告)
アキネコ - 真柴白さん» 待ってます (2021年8月8日 20時) (レス) id: 15b517afd7 (このIDを非表示/違反報告)
真柴白 - 何回も涙が溢れて来る作品ですね・・・。イジメに関しては、自分も学生時代あったから分かるし、自分の周りに男子が居ると女子からの視線・やっかみ・悪口・陰口とか、色々な事されて来たので作品を読んで号泣でした。更新待ってます!!! (2021年8月7日 4時) (レス) id: 2566c936e1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:巫女@桜 | 作成日時:2021年7月30日 19時