テストと部活とお馬鹿たち ページ22
あの春高予選から数日経ったある日。
いつものように仕事をこなしていると、突然後ろから大きな声で名前を呼ばれた。
驚いて手に持っていたスクイズボトルを落としてしまう。
「あ、すまん!驚かせてもうたな、大丈夫か?」
「はい、えと、何か用事ですか?」
声を掛けてきたのは赤木さんで、彼は申し訳なさそうに落としたスクイズを拾ってくれる。
しかし、中々に焦った表情をしているのだから相当なことがあったんだろう。
「すまんな狐崎。それは後でええから、ちょっと来てくれへんか。」
「ええ、分かりました。」
ジャージのズボンで手を軽く拭き、赤木さんの隣に並んで歩く。
しばらくして着いたのは男子の部室。
「じゃあ、中に北がおるから。後は頼むな!」
「え、あ、ちょっと!」
さっと部室のドアを開けた彼は私の背を押して部室に放り込んだ。
訳の分からないまま扉は閉められ目の前には仁王立ちする北さんの姿。
そして彼の前には正座して座るいつもの4人がいた。
「ええ、と。」
「すまんな狐崎、いきなり呼んでもうて。」
「それはええんですけど、この状況は?」
「来週からテストが始まるやろ。こいつら、特に双子は勉強が苦手でな。今までは俺が教えてたんやけど、今回は範囲もそれなりに広いんやろ?俺1人で教えるには難しいと思って狐崎にも手伝って欲しいねん。」
「私も頭ええ方ちゃいますよ?」
「俺知ってんで、狐崎がそこそこええ成績なん!」
「頼む!俺らに勉強教えてくれ!」
私の腕を掴み、目を潤ませながら詰め寄る双子にほぼ押し負けるような形で頷いてしまった。
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山さん - 俺だったら夢主ちゃんみたいに優しく出来ないなぁ……ええ子や……絶対俺だったら暴言言っとる…… (2021年10月10日 22時) (レス) @page22 id: a9954d5378 (このIDを非表示/違反報告)
アキネコ - 真柴白さん» 待ってます (2021年8月8日 20時) (レス) id: 15b517afd7 (このIDを非表示/違反報告)
真柴白 - 何回も涙が溢れて来る作品ですね・・・。イジメに関しては、自分も学生時代あったから分かるし、自分の周りに男子が居ると女子からの視線・やっかみ・悪口・陰口とか、色々な事されて来たので作品を読んで号泣でした。更新待ってます!!! (2021年8月7日 4時) (レス) id: 2566c936e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:巫女@桜 | 作成日時:2021年7月30日 19時