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「真柴から聞いたで。部活終わった後女子バレ行ってるんやろ。」
「はい。それがなにか?」
「朝練も俺たちより早う来て、授業も真面目に受けとるって来た。放課後は部活で休む暇なく動いて、終わったら八時ごろまで居残り練習に付き合ってる。最近何時に寝てるんや。」
「日付変わる前には寝てますよ。」
「俺は時間を聞いてんねん。」
私は、自分で言うのもおかしいが北さんに分かりやすく可愛がられていると思う。
侑くんたちもそうだけど、一人だけ女子と言うこともありとにかく優しいのだ。
故に厳しい目を向けられることも、ましてや怒られることなんてなかったのに。
いまの北さんは、怖い。
「12時過ぎです。」
「朝は何時に起きるんや。」
「ご、5時前です。」
私はまだまだだ、だからもっと頑張らないと、もっと力にならないと。
バレーしか取り柄のない私はいま価値がないも同然。だから、疲れただなんて言えない。
「体調管理はちゃんとせなあかんやろ。」
「…私は、これでしか価値がないから、」
「どういう意味や。」
「もう一度バレーに触れてみて、改めて私にはこれしかないってそう思ったんです。せやから私からバレーなくしたらなんもなくなってまう。どんな形であれ、バレーに少しでも関わってないと私が私でおれんくなる、から。」
言葉尻が小さくなり、こんな形で本音を晒すことになるとも思っていなかったため心臓が嫌な音を立て始める。
本当は誰にも言うつもりなんてなかったのに。
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山さん - 俺だったら夢主ちゃんみたいに優しく出来ないなぁ……ええ子や……絶対俺だったら暴言言っとる…… (2021年10月10日 22時) (レス) @page22 id: a9954d5378 (このIDを非表示/違反報告)
アキネコ - 真柴白さん» 待ってます (2021年8月8日 20時) (レス) id: 15b517afd7 (このIDを非表示/違反報告)
真柴白 - 何回も涙が溢れて来る作品ですね・・・。イジメに関しては、自分も学生時代あったから分かるし、自分の周りに男子が居ると女子からの視線・やっかみ・悪口・陰口とか、色々な事されて来たので作品を読んで号泣でした。更新待ってます!!! (2021年8月7日 4時) (レス) id: 2566c936e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:巫女@桜 | 作成日時:2021年7月30日 19時