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あるべき場所 ページ41

自信で居場所を否定したって、いつの間にかそれを全部肯定する人たちがいた

あるべき場所


次に目を開けたときは見慣れた教室にいた。

腹の辺りには暖かさを感じ、目で追っていくと近距離に五条先生の顔。

「酒呑童子、じゃなさそうだね。」

「はい…?」

「A、なのか…?」

「ええ、そうですけ、どっ?!」

「馬鹿ッ、本当に馬鹿…!!」

訳の分からないまま私に飛びついて来たのは釘崎さん。

勢いあまって後ろに倒れ込んだ私たちだけど、彼女はそんなこと気にせずに私を抱き締める。

「えと、これは…?」

「簡単に言うとね、Aはひと月くらい意識がなかったんだよ。
そのあいだずっと酒呑童子がここで過ごしてた。」

じゃあ一か月くらい私と酒呑童子が入れ替わった状態で過ごしていたのか。

そんなに長い間私は宿儺の生得領域で過ごしていたことになる。そんなにも時間が流れるのかあそこは。

「ったく、心配かけさせんじゃないわよ!」

「…ごめん、なさい。」

「佐藤。」

倒れ込んでいる私に手を出してくれたのは伏黒くんで、釘崎さんと一緒に立たせてもらう。

「悪かった。」

「え?」

「あのとき俺が一番近くにいたのに助けてやれなくて、悪かった。」

「伏黒くんは何も悪くないですよ。気にしないでください。」

ね、と言って見せるけど伏黒くんの顔色は晴れない。

「…いままで、こうして心配してくれる人は誰もいませんでした。
私のことを気にかけてくれる、それだけで十分です。」

この表情は、きっと酒呑童子から私のことを聞いてる感じだな。

過去の話は話したところでいい気分にはならない。だけど、少しでも理解してくれたのならそれだけでいい。

それでいい。

「なあ、A。お前意識なかったとき宿儺と何かあった?」

「え?」

「宿儺がAのことを気に入ったからって騒いでる。」


___おい、俺ァ何も聞いてねえぞ。

「まあ、そうですね。」

あのときあったことは、まあ話さなくてもいいかな。

宿儺と私の秘密、なんて。

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作者名:巫女@桜 | 作成日時:2020年12月27日 0時

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