ポアロで会いましょう【安室透】2

デート9 ページ6

トイレから戻った私たちは、そのまま手を繋ぐことなく一回り水族館内をみて回った。

少しがっかりなような、これ以上もたないって意味での、ほっとする、と言うか。


水族館を出るとあたりは夕焼け。
時刻は17:30。

「…まだ連れ回してもいいですか？」
『へ！？は、はい！』

「じゃあ、最後にご飯行きましょう」
『はい！』

…わぁ、嬉しい。でも"最後に"か。
ちょっぴり寂しいな。



安室さんが連れてきてくれたのは、和食屋さん。
ここ美味しいんです、っておすすめのお店らしい。
私を連れてきてくれるなんて。

そのお店は本当に本当に美味しくて、
「また美味しい顔が見れました」って微笑んでくれたけど…恥ずかしかったな…。






＿＿＿＿＿＿＿＿




『美味しかった〜』
「ご馳走様でした」
『ご馳走様でした！』

さ、行きましょう、ってお会計をしようとする安室さんに、ここのお会計だけでも！って言ったけど、断られた…。
今日行ったところ全て安室さんが出してくれた…申し訳ないなぁ。



車に乗り込む。
楽しかった1日が終わっちゃう。
楽しかったなぁ。

一生の思い出だ…。


なんて思ってると、いきなり安室さんが顔を近づけてきた。

こ、これは…キ、キキキ、キス！？！？！

思わず目を瞑る。

と、首元に何か触れた。

恐る恐る目を開ける。
サイドミラーで見てください、って安室さん。
見ると、安室さんと2人で行った時、デパートで私が可愛いって言ってたネックレス。

『え…う、そ…』
「プレゼント。今日来てくれたお礼に」

『これ…』
「ほしいって言ってたやつ…それでしたよね？」
『…っそうです…嬉しい。ありがとうございます…』


「それと」

『…？』

「告白の返事、してませんでしたね。」

そ、そういえば告白してるんだった…
今日一日楽しくて忘れちゃってたな…

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