ポアロで会いましょう【安室透】2

降谷零2 ページ36

「じ、じゃあ…なんでいきなり別れようなんて言ったの？」

「それは…っ。奴らの中のジンって男が僕とAが歩いてる姿を目撃したらしくてな。次何か怪しい動きをするようならAを人質に取る、と…言われたんだ」



その瞬間

Aが勢いよく立ち上がった。

と思いきや。


バチーーーン！！！！

「…！？！」

思いっきりビンタをしてきたA。
あまりの突然のことにビンタされた左頬を押さえて目を見開く。

「何で言ってくれなかったの？」

今にも泣きそうに、目に涙を溜めて言うA

「言えるわけないだろ！」
「何で1人で抱えるの！？私が荷物になったから！？」
「傷つけたくないからに決まってるだろう！！」


…初めて2人で声を荒げて言い合いをした。


「…勝手に、自分で抱えて、私は振られて、ずっとご飯も喉を通らなくて…っ、やっと忘れられそうって。思ってた…。

なのに何が傷つけたくない、よ！？！
何も知らずに振られて…私がどんな思いで…今まで…っ」


「…A」

「バカ！！！！バカバカ！！！」
そう言って僕の胸を叩いて来た。

「ば、バカって…




あ…あと…安室透って、偽名なんだ」

「…え…？」

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